待ち合わせの時間、三十分前。ルビーは、ある雑貨屋で目に入ったものがサファイアに似合うと思い、それを購入した。その十五分後。サファイアも、ある雑貨屋で目に入ったものがルビーに似合うと思い、それを購入。
 お互いプレゼントを手にして喜んだ姿を想像。頬を緩めて、それぞれリュック、ウエストポーチの中に小さな箱をしまった。サファイアは時間を確認するためポケギアを見て慌てる。急いで待ち合わせ場所に走った。

「ルビー!」
「あ、サファイア」
「はあはあ。遅くなってすまんち」
「大丈夫だよ。逆に走らせちゃってごめんね」

 呼吸を乱して謝るサファイアの頭を優しく撫でてやり、落ち着いてと声をかけた。何度か深呼吸をして呼吸を落ち着かせる。だいぶ呼吸が楽になったところでルビーの手が頭からサファイアの右手に移った。

「行こうか?」

 手を繋いでサファイアの歩幅に合わせて歩き、女の子が好きそうな可愛いものが揃った雑貨屋に入った。目の前に広がる光景にルビーの瞳が輝く。

「Pretty!どれを買ったらいいか迷うなぁ。秘密基地に置くものだからー」

 可愛いぬいぐるみやクッションを選ぶ横顔を見ると、いつもカッコイイ顔もこういったところに来たり、見たりすると目つきが変わって子供みたいだ。
 クスクス笑って様子を見ていると手を離すよと言って、気に入ったものを買いに行った。満面の笑みでショップ袋を持ったルビーに、もっと笑いが込み上げて笑った。
 また手を繋いで向かった先はベンチ。二人は座ると、ルビーが待ち合わせ前に買ったプレゼントを取り出した。見覚えのある箱にサファイアもプレゼントを取り出す。

「あれ?」
「ありゃ?」

 不思議な出来事に声が合わさり、よく分からないままプレゼントを交換、同時にリボンと解き、箱のふたを開けた。

「おっ!」
「わあ!」

 更に驚いたのは、プレゼントのブレスレットがそれぞれ藍色と紅色の小さな石がいくつも埋め込まれているデザインで、色違いと言うことだった。
 顔を見合わせると自然と笑みがこぼれた。まさか、似合うと思って買ったものが同じものだとは思わない。

「ありがとう」

 ブレスレットをつけた方の手を握り拳にして、こつりとお互いの拳と拳を合わせた。揺れた紅色と藍色が弾けて綺麗な色を見せる。まるで、二つの石は今の二人の気持ちを表しているように光りを放ち、輝いていた。


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「初恋いちご」の神山 煉さんから相互記念小説を頂きました!
可愛すぎるルサにドッキドキ!*^∀^*
咲の胸は張り裂ける寸前です><
神山さん、ありがとうございました^^



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