レッドです! イエローです!
今日は、グリーンとブルーさんを尾行して、二人のデートを観察することにしました!

「あの〜。この格好でバレませんかね?」
「大丈夫!絶対にバレない自信がある!」

ショートカットのウィッグをかぶり、いつもとは違うフリルのついた服(ルビー作)を着ているイエローと、ウルフカットのウィッグをかぶり、ちょっと不良な感じ(ゴールドの私服)の服を着たレッドが、こそこそと物陰からある人物を覗き見していた。覗き見をしている人物とは、同じカントー地方の図鑑所有者であるグリーンとブルー。なぜ、変装しているかというと、バレてはいけない極秘のプロジェクト(大袈裟だが)だからである。

「ただ、二人がどんなデートをしているか気になっただけで、こんな大袈裟なことになるとは思いませんでした。普通に二人についていけば大丈夫な気が……」

不安になるイエローとは逆に、レッドはウキウキと心を弾ませていた。

「何だか探偵っぽくて面白くないか?」
「まあ、少しだけ」

頬を桃色に染めて図星のイエロー。レッドの変装を見て、『似合ってますよ』なんて褒めてみたりとノリノリである。そんな褒め言葉に照れて、『イエローも可愛いよ』なんて言い返してしまうのだからバカップル極まりない。きっと、ここにエメラルドがいたならば彼の決まり文句が聞けたに違いない。
そうこうバカップルしていると、グリーンとブルーが雑貨屋に入って行った。見失わないうちに二人も雑貨屋に入る。店内はポップな音楽が流れ、可愛らしい雑貨が棚に陳列されていた。中でも目を引かれるのはピカチュウのマグカップ。ピカチュウを手持ちに持つレッドとイエローは一目散にマグカップ目掛けて走った。

「可愛すぎます!」
「買おうぜ!」
「はい!これは即買いです!」

大興奮でピカチュウのマグカップを二つ購入。二人でひとつずつマグカップを持って我に返った。

「レッドさん、二人は!」
「まだ、あそこにいる!」
「危うく目的を忘れるところでしたね」

棚の陰から二人を見ると二人が選んでいたのはクッションだった。とてもシンプルなものを選んでいるということは、ジムの執務室に置くか、グリーンの部屋に置くかのどちらかだ。近いうちに行ってクッションを確かめて、あった場所で盛大に茶化してやろう。レッドはグリーンが困っている顔を思い浮かべて笑った。そんなレッドの隣で観察していたイエローが報告をする。

「あ、今、青色のクッションが却下されました」
「却下って。買えばいいのになぁ。青も綺麗でいいと思うのに」
「いや、あの、レッドさん分かってませんよね?」
「え、何が?」

クエスチョンマークを出して首を傾げるレッドを見て、つくづく鈍感なひとだとイエローは肩を落とした。説明するのも少し恥ずかしいのでレッドには悪いがなかったことにすることにした。

「何でもありません。却下しても結局は青のクッションをお買い上げですね。レジに行くみたいです」
「なぁ、何がだよイエロー」
「先に出ていましょう!」
「わわっ!」

先程の言葉がどういう意味を表しているのか気になり、訪ねたが、レジに向かった二人より先に店を出て待ち伏せをしようと考えたイエローに腕を掴まれて店から出ることになってしまった。理由が分からないまま雑貨屋近くのベンチに座り、クッションが入った荷物を持った二人を横目に次の行動を待つ。グリーンが二件先にある本屋を指差した。どうやら次は本屋に向かうらしい。本屋に向かった二人が店に入ったところでレッドとイエローは動き出した。






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