それはある日の昼下がり。
昼食を終えた昼休み。
第一声はブルーの声。

「ねー、あんた達って付き合ってないの?」

面白そうな好奇心を含んだ声音で爆弾を投げたブルーはニヤニヤと厭らしい笑顔を浮かべている。
一方爆弾を投げられたゴールドは飲んでいたサイコソーダを吹きだし、クリスタルは唖然としてぽっかりと口を開けている。
その口は見事に「は」の形になっていて、ブルーの発言がどれ程意外な物だったのか窺い知れる。

「なっ、何言ってんスか!ブルー先輩!悪い冗談止めて下さいッスよ!」

サイコソーダを吹き出して濡れた口元を袖で拭ったゴールドがそう反論するとクリスタルが畳み掛ける様に加勢した。

「そうですよ!いきなり変な事言わないで下さい!」

「それにどーせ付き合うならクリスみてーなガチガチな真面目系学級委員長よりクルミちゃんみたいな可愛いギャルとか大人の姉ちゃんみてーなムチムチのお色気ギャルが良いッスよ!」

ハンッと鼻息を吹き出すゴールドにカチンと頭にきたクリスタルが言い返す。

「私だって貴方みたいなちゃらんぽらんな不良なんてお断りよ!どーせならシルバーみたいに女性に優しい紳士な人やグリーンさんみたいな堅実で真面目な人が良いわ!」

「あーん?何だそりゃ、オレへの当てつけか?」

「違うわよ!どうしてそうなるの!それを言うなら貴方の方こそ私に対する厭味よね!?」

「ちげーっつーの!何でそうなるんだよ!」

「そんな風にしか取れない言い方をするからでしょ!」

「だーっ、もうめんどくせぇっ!ポケモンバトルで勝負だ!」

「臨むところよ!」

「負けても泣くんじゃねぇぞ?」

「貴方こそ!吠え面かかないでよね?」

ヒートアップするゴールドとクリスタルの言い合いに口を挟む事の出来なかったシルバーとブルー。
足早く外へと向かい、ぎゃーぎゃーと口喧嘩をするゴールドとクリスタルはモンスターボールからバクたろうとメガぴょんを繰り出し、臨戦体制を取っている。

「…良かったわね。シルバー、貴方クリスに褒められたわよ?」

「…それ自体は嬉しいけど、でもクリスの本命はオレじゃないから」

「あーあ。あの二人一体いつになったら付き合うのかしらー?」

つまんないのー、と口を尖らせて頬を膨らませるブルーに苦笑して、シルバーはゴールドとクリスタルが居るであろう外の景色が見える窓に視線を向けた。

「多分、あの二人にとって今の距離感が丁度良いんじゃないかな」

「お互いの気持ちに気付いてない喧嘩友達の距離感の立ち位置が心地良いのかしらね?」

「多分ね」

「お子様ねー」

はぁっと溜息をつくとブルーもシルバーに習い、窓の向こうのゴールドとクリスタルを見る。
白熱の戦いを繰り広げる二人は接戦としていてどちらに勝利の女神が微笑むのかは分からない。

「ゴールドとクリス、どっちが勝つのかしら?」

「クリスに一票」

「じゃあ、あたしはゴールドに一票!賭ける物は今晩の夕御飯奢りね!」

屋内の窓から不穏なやり取りが行われているとも知らずにゴールドとクリスタルは戦い続ける。
勝利の女神がどちらに微笑んだのか、それはシルバーとブルーの知るところである。

******************
大変お待たせ致しました!
The best Positionの小野 葵さんに捧げます。

遅くなって申し訳ありません。
ゴークリ以外にブルーとシルバーを登場させて申し訳ありませんでしたm(__)m
ゴークリの筈なのにゴークリよりブルーとシルバーが目立ってますよね(^-^;
ゴークリといったら喧嘩で、ケンカップルかなと思いまして。
書き直して欲しい箇所がありましたら、書き直しを致しますので、ご気軽にお申しつけ下さいませm(__)m

それでは相互、ありがとうございました!
これからも「time lag」と咲をよろしくお願いします(人´∀`)
お互いにサイト運営を頑張りましょう!

※こちらの相互記念小説「丁度良い距離感」は小野さんのみお持ち帰り可能です。
予めご了承下さい。


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