想いの契約


欲する事ばかり諦め
与えるもの等持たず
俺は俺の価値など無いと
ただ無心に闘うだけだ

与えられた役目を
与えられた契約を
こなすだけの脱け殻
果たすだけの偶像

恋愛も結婚も幸せすらも
望む事すら諦めちまった

俺に何が出来るのだろう
俺は何が出来るのだろう

気付いちまった胸の痛みは
傷付けちまった代償として
俺は手探りの闇の中で
ありったけの想いを紡ぐ
見つけちまった想う相手を
遠ざけちまった後で知った
俺は甘美な夢を抱いて
ただひとりの為にと想う

想いを伝える事すらも
己の力で足りなくて
拙く無様な姿を曝し
それでも欲しいと願った

与えるもの等無いと思った
欲する事は罪とさえ思った
だが……それは
俺が決める事じゃ無かった

遠回りする事で
より強く願う事で
確かなものを手に入れた

想い想われ繰り返す
与え与えられ繋いでいく

命尽きるまで 終わらぬ想い



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