回帰
〜風と共に生きる〜


ひとしきり風が吹き
閉じた目を開ければ
霞んだ世界が澄んだ

見えてる物が真実か
見えざる物は現実か

自分が立つ場所ですら
曖昧な感覚に揺らいだ

自分の存在理由ですら
希薄な視界に薄れた

ゼロの風を待つ……
感覚も視界もありのままの
真実と現実を取り戻すため
身体の中まで突き抜け
心の中まで吹き抜ける
その瞬間を待つ

一陣の風が吹く
鈍った刃を研ぎ澄まし
曇った瞳を洗い流し

出陣の風が吹く
背を押し勢いに乗せる
順風満帆と吹き抜けた



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