〜救いの手〜 目を閉じると思い出す 暗闇の恐怖と眠れぬ夜 足音に気配を殺し 話し声に息を潜め 近付けば牙を剥く 抱き締める腕も 軟らかな寝具も 子守唄も知らず 生きているそれが全て 脱け出した筈の深淵の 闇は未だ俺を蝕み 悪夢に惑い近付く者に 容赦なく牙を剥いた 一番傷付けたく無い者を 一番知られたく無い姿を 傷付け晒し恐怖に戦慄く 傷付いた身体で 傷付けた俺に 最初からやり直そうと 震える俺を胸に抱いた 胸打つ音に想いを委ね 無防備という名の安心に 全てを預け眠りに落ちた [*前]|[次#] [ poem2 ]|[ main ]|[ TOP ] |