微笑む翼が鎧を剥いだ


地下から這い出し
地上に立った時も
地上から飛び上がり
壁上に立った時も

俺は確かに夢へと
近づいた気がしていた
けれども現実は
夢も希望も命さえも
喰らい尽くすだけ
ただ広いだけだった

囲われた狭い場所から
抜け出すことは
新たな脅威が待っている

戻りたいとは思わねぇ
進むしか俺には
選択肢がありゃしねぇ

翼を背負い空を舞う
天使か悪魔かと囁かれ
最強だ英雄だと謳われ
背中の重みに気付く

塗り替え染められていく
俺は俺を見失いそうで
俺は俺で囁きに謳いに
応えようとしていた

包み込む翼のような
優しい腕と暖かい瞳の
お前に出逢って
俺は何者でもない
ただの俺でいいんだと
笑う姿に力を抜いた



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