肉食系ラビット | ナノ
保健室での反省会

 


部費争奪戦は雨天中止にならないようにグランドじゃなくて校舎裏の体育館で行ってる。
そこには観客席の他にも控え室、更衣室に備え付けの保健室がある。
くそ、何で保健室まであるんだよ。
しかも明らかに人が来なさそうな薄暗いところに。
現に周りが静かすぎる。
怖ぇ。こんな機嫌が悪い清隆寺と二人きりなんて怖ぇよ!
黒いオーラが見えてんぞお前っ!

「せ、清隆寺…」

「あ゙ぁ?」

そんな目で睨むなよぉっ!
やっぱ玉入れで負けたからキレてんのか!?
そりゃちゃんと玉をカゴに入れなかった俺が悪いのかもしんねぇけどそこまでキレんなよっ!
不機嫌な清隆寺にビビってると清隆寺は俺から離れて棚をごそごそ漁ってる。
何探してんだ?
武器とかならどうかこのまま見つかりませんように。マジで見つかりませんように。

「やっと見つかった」

ああ、見つけちまったよ。
振り向いて清隆寺が睨んだまま近付いてくる。
こ、怖すぎる…!
何を持ってんのか見えねぇから尚更怖い。

「おい、座れ」

「はいっ」

説教されると思ってその場で正座をしたら舌打ちされた。
ちゃんと正座してんだから舌打ちしなくても良いだろ。
どうしたら機嫌直ってくれんだよ。

「そうじゃねぇだろっ」

「うわっ」

イライラした様子で腕を掴まれるとすぐ側のパイプ椅子に座らされた。
相変わらず不機嫌な清隆寺の顔が目の前にある。
鼻と鼻が当たりそうなぐらい近い。睫毛長ぇな。
……って、これは近すぎるだろ!

「せっ、清隆寺っ、近っ…」

「黙って目ぇ瞑れ」

静かに低く透る声で言われたら身体は反射的に従って堅く瞼を閉じた。


 


[*prev] [next#]
[mokuji]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -