※ドタチンが超悪い男
※男前な職人はログアウトしました
※殺伐というかドライな和姦
※エチくないよ!
※5/4スパコミのオフ本サンプル










「ほら、自分で挿れてみろよ」

精悍な顔立ちに浮かぶ笑みは、ひどく厭らしく歪んでいる。
この状況が面白くて、おかしくて、たまらないといった表情だ。

「……っ、…は」

上目に見やった視界にそれを映した臨也は、思わずその眼差しに険を込める。苛立ち混じりに窄めた唇できつく吸い上げて、口から引き抜く際にわざと歯を掠めさせてやった。

「ッ、…」

小さく息を呑む姿を鼻で笑えば、同じくらい……否、それ以上に凶悪な顔で嘲笑い返される。
ぞわりと背筋が粟立ち、冷や汗が滲んだが、臨也は意地でも表には出さなかった。

この男にこれ以上、付け入る隙など与えたくない。


「…懲りねえよなお前。自分が痛い目見るだけだって分かってんのによ」

「は、言いなりなんて冗談じゃないからね」

ぐい、と口端から零れた不味い白濁を雑に拭って、門田の足許に座り込んでいた臨也は上体を起こした。
そして乱れのない服越しにさえ逞しいその胸に手を添え、門田が座っていたソファに押し倒す。

「へえ? 今のコレは言いなりじゃないって?」

「少なくとも、俺が欲求不満なのは事実だからね。自分から上に跨がって腰振ろうかと思うくらいには」

「節操のないビッチ極まりねぇな」

クツクツと喉奥で低く嗤う門田を、臨也は苛立ちを込めて不快げに睨み付けた。
ビッチどころか男に抱かれたことなど一度もなかったと、門田は知っているくせに。

──他でもない、臨也を手酷く犯したのはこの男なのだから。


「……遊馬崎たちに教えてやりたいよ。君の本性は人を酔わせて薬を盛って、動けない相手を痛ぶって無理やり強姦するのが趣味な、クズでろくでもないただのサディストだってね」

「いいじゃねーか、言ってみたらどうだ? まあ、アイツらが俺よりお前を信じるなんてことは、冗談でも有り得ねぇだろうがな」

「…………ホント、最悪」

優位を確信してやまない門田の口端が、臨也と共に居て下がることはない。

…きっと、この男の目には滑稽に映っているのだろう。
同性の性器を銜えて奉仕するだけでなく、受け入れる器官ではない後孔を自ら弄り、解している臨也の様は、さぞ。


「……っん、ァ、…あ、ッ…は」

ほとんど機械的に動かし、ローションでべっとりと濡らした手で、窄まりを広げていく。
快楽を追うのではなく、ただの作業のように。

「ふ、…っ、」

当たり前だが、本当はこんなことはしたくない。自分で指を突っ込んで慣らして、同性を受け入れる準備をして。
まるで馬鹿の極みだ、こんなのは。

それでも、やらなければ痛い目を見るのは結局、臨也自身だった。


「クッ……見物だよなァ、あの折原臨也が自分でケツ拡げてんだぜ」

「……っる、さいよ、ッ」

「もう嫌だって言わねぇんだな。前に慣らさないで突っ込んだの、そんなに痛かったかよ?」

「っ…当たり前、だろ、ッ……馬鹿じゃな、いの……!」

呻くように罵れば、見下ろす男の喉仏が可笑しげにクツクツと上下する。

…それは、何度目かに身体を重ねる羽目になった時のことだ。
自分で慣らせと言われて嫌だと答えたら、門田はそのまま臨也を貫いたのだ。痛くて痛くて、許してくれ、と恥も外聞もなく馬鹿みたいに泣きじゃくったのは、そう古い記憶ではない。


「馬鹿はお前だろ。何度も痛い目見てんだから、そろそろ学習しろよ」

「うぁ……っ」

ぐちゅっ、と卑猥に音を立てる乱暴な仕草で、門田の指が内側に無理やり捩じ込まれる。
それに情けない悲鳴が漏れそうになって、臨也は唇を噛み締めた。門田の腹に突いた手が、苦し紛れにギリ、と爪をたてる。

「つ、…ッ、ぅ、」

「オイ、痛ぇ」

痛いのはこっちだ馬鹿、と殺気を込めて睨み下ろすが、門田はニヤニヤと嗤うだけだ。含まされた指がぐり、と内壁を抉る。

「…っ待、…動かす、な……ッ」

圧迫感と強引に拓かれる痛みに、目の前がチカチカした。

「ん、う、…っぅ、あ、…ッ」

せめて、と自分の指を抜こうにも、門田にがっちりと手首を掴まれ固定されている。
その上さも焦れったい、とでもいうかのように乱暴に動かされて、ひっ、と喉が空気を呑んで細く震えた。

「ちんたらやってんなよ」

「は、ッ……あ、ぁっ、も、ほんと、しねよ……!」

「可愛げねぇな」

「あって、たまるか、…ぁ、っ」

「ま、そりゃ確かにな」

「ひぁ、…ッ」

太くて固い指が、容赦なく無遠慮に内側のしこりを擦った。
小刻みに揺すられ、ぐりぐりと爪先でなぶられ、先程とは違う意味で目の前が眩む。

「は、…ぁ、っあ」

力が抜け閉じられない臨也の口端から、ぽたりと唾液が滴り落ちた。

「…よだれ」

可笑しそうに門田が笑う。
こんな時だけいつものように、どこか、穏やかに。

「っ…、見ん、な…ッ」

忌々しげに吐き捨てて、臨也は俯き、空いた手で目許を隠した。
ぐ、と噛み締めた唇は、唾液ではなく破いた皮膚から滲む血でぬるりと湿る。

「はぁ? 今更だろ、よだれぐらい」

もっと酷いのを見ている、と嘯く門田は気付かない。
臨也がそうしたのは悔しさからだと考えて、喉で低く笑うだけだ。
…何故、口許を覆うのではなくて目を隠したのか、その意味には気付かない。


「隠すなよ。お前の顔は好きだからな」

ぐいっと腕を引き剥がされ、臨也は眉根に力を込めて門田を睨み付ける。その眼差しを受けても、男はニヤニヤ笑うばかり。

「っ……へぇ、それは初耳、だ。」

カケラも嬉しくないけど、と冷ややかに付け足して、臨也は口端を上げた。
それがいささか引き攣るのはもうどうしようもない。門田の言動に、よもやプラスな要素などあるわけがないのだから。
こんなふうに嫌な顔をすればするほど、ただ相手が喜ぶだけだと分かっているが、不愉快さがつい表情に滲み出てしまう。

「いつも余裕そうに澄ました顔が歪むのは、見てて愉快になる」

「…どう、せ、…ッ」

どうせそんなことだろうと思った、と口にしかけて、言葉が詰まる。
乱雑に引き抜かれた指が臨也の顎を掴み、視線が真っ正面から門田とかち合った。

「な、」

「こんなふうにな」

言いながらひたりと押し当てられる、昂り猛った門田の熱源。
待て、と言ったところで聞き遂げられはしない台詞を、それでも反射のように発する間もなく。

「──ァっ、うあぁ…ッ!」

ごり、と狙ったように前立腺を抉りながら、強引に狭い隙間を拡げ、門田の性器が臨也のナカに押し込まれた。

「ッは…ぁ、う"…」

身を裂かれる痛みに、チカチカと目の前が眩む。
ある程度慣らされようと、挿入の際に内側の悦点を擦られようと、無理やり途を拓かれるのは苦痛でしかない。
顎は掴まれ固定されていて、悲鳴を噛み殺すことも出来なかった。

「痛、っぁ……く、そ」

無意識に縋った指先が、ガリ、と血が滲むほどに門田の逞しい肩を削ったが、男は痛がりもせずに臨也を見下ろしている。
その視線の意味を過不足なく正確に理解して、臨也は痛みで潤む目に、死ねばいい、と心底から念を込めた。

「ッ、悪趣味…!」

「お前に言われてもな」

低く笑いながら、門田はぐっと腰に力を入れる。半ばほどまで埋めたものを、さらにじわじわと押し込められて、ひくっ、と臨也の喉が鳴った。

「ぁ、っ…待、…やめっ、」

「……キツ」

緩めろ、と押し開かれた太股を無造作に叩かれて、臨也は思わず拳を握り締める。…殴りたい。
けれども、力を抜かなければ結局、辛い想いをするのは臨也なのだ。反抗して逆に力を込めても、門田は遠慮などせず強引に押し込むだけだろう。

「ふ、…っ」

強ばりが抜けない身体に臨也自身も辟易しながら、必死に呼吸を繰り返し、逸物を呑み込む箇所から意識を逸らそうとする。
痛みを誤魔化すために伸ばした手は、萎えかけていた己の性器を握った。

「はぁ、…ア…っ」

直接的な快楽に、痛みを敬遠していた身体は素直に食らい付く。
一度味わえば手は止まらなくて、力を抜くという当初の目的さえ、臨也の頭からはもう飛んでいた。

「ん、う…っう、ハァ、あ…ッ」

馬鹿みたいに自慰に耽る臨也のその様は当然、相手の視界にも入っているはずで。
けれど門田がそれを揶揄ることはなく、後はただ、お互いが自分の快楽を追って動き出すだけだった。






to be continue...


続きはウェブで!
…もとい、オフ本で。

こんな感じの本が出る、とイイなぁ!と思ってる。←




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