目の前で本を広げて、勉強をしているプラチナブロンドの彼。
覚えてるかな、私の事。きっと覚えてないだろうけどそれでも構わないぐらい君の事が好きです。
「ねぇドラコー」
「ドラー」
「ドラちゃん」
話し掛けるけど何も答えない君に、とりあえず色んなあだ名で呼んでみた。するとバンッ!と机に本を叩きつけて睨まれる私。
「誰だお前。馴れ馴れしいぞ」
やっぱり覚えてないか。まあ分かってた事だけど、ちょっとヘコんだり。
「あ。初めまして。ドラドラのファンです。」
やっとスタート地点に立てたから多少の苛つく君の態度には目をつむってあげようと思ったけど、更に眉間にシワを寄せるその顔を殴りたいと思ったのは秘密よ、うん
再度私の顔を見る事もなく無言で席を立つ君にムカついて私も席を立った。くそぅ…自分の部屋でふて寝してやる!
目の前を歩く君のプラチナブロンドが悔しいぐらい綺麗。ったく、早く歩きなさいよ。目の前の坊ちゃまは歩き方も偉そうで………
あーあ、その隣を歩きたいな。そんな我が儘を言ってみたいな。隣を歩けて腕を絡ませられるパンジーが羨ましい。そんな事思ってたら、ドアを出る前に急に立ち止まったドラコの背中に突撃してしまった。
「あたた…」
「どこまでついて来るつもりだ、そんなに僕の事が好きなのか?」
振り向いた君のニヒルな笑みを見て、思わずフリーズしてしまった、なんて自信過剰なの…!けど、懐かしくてつい笑ってしまったの
「……に決まってるからな。」
「自信過剰すぎる…」
「なんか言ったか?」
「あははっ、何にも!」
「私自分の寮に戻ろうとしただけなんだけど……自信過剰だね」
「違う!くそっ……名前を教えてもらおうか」
「え、ストーカーするつもり?」
「……馬鹿かお前は」
やっぱり君が好きです。
(どうしよう、幸せだ)
091205