今日は、彼氏のドラコ・マルフォイ君の寝室に忍び込みたいと思います。いつも人の事バカにして楽しんでるんだから、たまには仕返しさせてもらうんだから!

寝顔を撮って、バラまいてやる。そしてネガを持っている私に泣きつくドラコに「First nameの事が大好きでたまらない」って毎日大広間で叫べば許してやるって優しい言葉をかけてあげるの。なんて素敵な計画!


そろりそろりとドラコの寝室に忍び込み、静かに扉をしめる。 少し離れたベッドからドラコの規則正しい寝息が聞こえてきた。くそっ、無駄に憎たらしい…!

みてなさい、今日の夜から立場は逆転するのよ!

足音をたてずに、ドラコに近づきカメラをかまえる。私の輝かしい未来に乾杯。

「覚悟ドラ…っわわわっ!」


ボフン。


……非常にヤバい。もう一歩近付こうと足を進めたら自分の足につまづいて上半身がベッドにダイブしてしまった…。しかもドラコの胸板にデコが直撃である。絶対起きてる、絶対こっち睨んでる…!!!

「………」

「………」

あれ?寝てる?


「………First name」

「ひいいぃ!!!すみません!すみません!好奇心……で?」
ガバッと起き上がりドラコを見たが、苦しそうに眉を寄せたまま眠っていた。


「驚かせんなこの元オールバックめ!」

「…すみません、」

「!?」


い、今返事したよこの坊ちゃん…!え、すごくない?これこそネタに出来るくない?よし、今からムービーに変えよう。
用意していた袋の中からビデオカメラを取りだそうとしたとき、ベッドから呻き声が聞こえてきて、手を止めてしまった。


「……だ、大丈夫?やっぱりさっきのダイブが」

「…ち、父上。そんな、やめてください…!僕は男です。フリフリな服なんて着ません……小さい頃は、あれは父上が無理矢理……。すみません、すみません、けどフリフリはやめてくだぁぁああ…」

「……。」







「ごめんね、ドラコ。私ドラコに優しくしてあげるね」

「ち…父上。父上の嫌いな食べ物を全部僕の皿に移さないで……」

「ドラコ、強く生きて。」




091025

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