あと何回?あと何回したら私の事好きになってくれますか?



「シリウス君!!私と結婚してー!!」

「げっ、また来やがった。」

「あ!ちょ、逃げるな!!」



足の速いシリウス君
今日も素早く逃げられました。
やっぱり直撃型は駄目なんだろうか。もっとおしとやかに…?うーん、おしとやか……




「シリウス君。」

「今日は気持ち悪いくらい静かな登場だな。」



木の陰で休んでいたシリウス君の目の前に行き、彼と視界を合わせようとしゃがんだ。整った顔を久々にちゃんと見れた気がする、やっぱりかっこいい。


「何していらっしゃったの?」

「キモッ、」

「………何してたの?」

「昼寝」

「ふーん」

「夢の中でお前出てきた。」


予想もしてなかった言葉に足下の土で遊んでいた私はバッと顔をあげた。私?私!? シリウス君の夢の中に私登場!?


「夢に出てくる程私の事考えてくれてたんだね!!やっぱり結婚しよう!」

「結局その話かよ!この馬鹿!」

「うごっ」


シリウス君は持っていた本で私の頭をバコッと叩いてきた。痛くてキッと睨み付ければケラケラ笑う彼の顔が見える。


「今私傷物になった!シリウス君のせいだ!!」

「お前よく転んでるから既に傷物だろ」



急に立ち上がり、ローブについた砂を払った彼のせいで私は目に砂埃が入るという被害を被った。ち、畜生。シリウス君他の女の子には優しいのに…私には砂埃を浴びせるなんて…!!


「目、目があけ…げほげほっ」

「あー悪ぃ悪ぃ。」

「お、思ってないくせに…!」

「あ、そうそう。俺はおしとやかよりいつもの騒がしい方が好きですよお嬢さん。」


未だに目をこすってるから彼の顔は見れないけど、きっと憎らしいくらに人を馬鹿にした顔で笑ってる、そうに違いない







「シリウス君ー!!!私と結婚っ!!」

「お前は順序を考えろ!!」





091019
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