(この恋の障害は素晴らしく多い。)
まず、私がグリフィンドール寮生って時点で第一印象は最悪だ。
しかも、ついこの間ハリーと一緒に歩いてるのを見られ、「おやポッター、新しい女かい?」なんて言われる始末。全力で否定したハリーのあの顔が今でも忘れられない。乙女に対する侮辱だ。
この時チラリと合ったマルフォイの視線が妙に胸に突き刺さった。
次に、パンジー・パーキンソンの存在である。私がマルフォイを視界に入れるとき大抵彼女が腕に巻き付いている。羨ましくて、悔しくて、ロンの腕に巻き付いたらロンから気持ち悪がられた。彼は全く乙女心を分かってない。
この時チラリと合ったマルフォイの視線は直ぐそらされた。正直かなり傷付いた。
「まだ沢山あるんだよ?けど言ったらキリが無くて…」
大きなため息をついて、さっきから話を聞いてもらっていたハーマイオニーに視線を向けると本に夢中なご様子。
「恋に障害はつき物って言うけど、私の場合障害しかない気がする。」
「あら、その方が良い恋愛が出来るじゃない!って言ってたのは何処の誰だったかしら?」
「それは私だけど…たまには甘い展開が欲しいの!」
「そんな貴女に良いこと教えてあげましょうか?」
「なにっ?」
「貴女がマルフォイの方を見てない時、ずっと彼からガン見されてるのよ。」
「え!!?」
彼が最大の障害だったなんて!
「睨まれる程嫌われてたの、私!?」
「は?」
「どうやったら少しでも好いてくれるかな?」
「……体当たりでもしてきたら?」
「まかせて!恋はタックルね!」
(数分後、グリフィンドール寮生がスリザリン寮生に故意にぶつかり医務室送りにさせたという噂が学校内に直ぐ広まった)
(あの、…大丈夫?)
(ぜ、全然大丈夫じゃない!心臓が止まるかと思ったんだぞ!)
嬉しくて心臓が止まりそうだったなんて言えやしない。