(嫉妬深い彼と冗談が好きな彼女のお話)


もし、ね
もしもの話。


「私とハーマイオニーが仲良くしてたらどうする?」

「その仲を引き裂く。」


流石ドラコ。
容赦ないな。
じゃあ、次。
もし、ね
もしもの話。


「私とロンが実は婚約者だったらどうする?」

「父上に頼んで何が何でも婚約解消させる。そしてお前は晴れて僕の花嫁だ。」


満足そうに笑うドラコを見て、私もつられてヘラリと笑う。
じゃあね、じゃあね!
もし、ね
もしもの話。



「私がハリーの事好きだったらどうする?」

「僕が優しくお前の息の根を止めてやる。」

「え!?殺されるの私?!!」

「安心しろ。優しくしてやるから。」



“ポッターを再起不能にする”って返ってくるんじゃないかと予想してたのに想定外だ。しかも、じりじり近寄ってくるドラコに身の危険を感じた。え、この馬鹿、本気でもしもの話信じてる? そしたら私の命危なくない?かなり危なくない?


「待って!待って!あれは、もしもの話でけして事実ではありませんフィクションです!」

「慌てる所が怪しいな。」

「殺されそうなのに冷静になれるか馬鹿!!ひぃぃい!」



顔の両脇に手をおかれ、身動きとれない現状。私が馬鹿でした神様。許して下さい。
近付いてくるドラコの顔に“もう駄目だ、さよなら私の人生”そう覚悟して目をつむった瞬間おでこに柔らかいものが当たり、パチリと目を開いた。


もしものお話。



「なあ、もしもの話。僕がゆるしてやらない事もないと言えばお前は何をする?」

「何でもする!!!」

「じゃあ、今日帰さないからな。」

「え?」


ねぇ、ねぇ。
もしもの話。
お部屋に狼が居たらどうしますか?


「ダッシュで逃走!!!!」

「あ!!待て!!」



(嫉妬深い彼と冗談が好きな彼女の話)




‐‐‐
過去拍手文でした
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -