「わー、ドラコ知ってた?今日アンブリッチが“男女は20センチ以内に近づかないこと”って校則をプラスしたらしいよ。」


「ああ、知ってる。」


「これじゃあ私とドラコ、ちゅー出来ないね。」


「アンブリッチが居ない所ですれば良いだろ。」


「私校則破るの嫌いなの」


嘘付きめ。
この間お前がなんて言ったか僕はよーく覚えてるぞ。夜中にいきなり探検に行きたいの!とか言い出して抜け出す際「校則は破ってこその校則よね」とか爽やかな笑顔で言ってのけたからな。



「校則は破ってこその校則なんだろ?」



口の端をつり上げて、お前を見ると、嬉しそうな顔をしてこっちを見ていた。
小さな口が「悪い奴め」と呟くのと同時に、僕は少し離れていた距離を縮め、彼女を抱き締めた。すると僕の体にすんなり手を回すお前。やっぱり校則なんて破る気満々だったろ?


そう思いながらも、回された手の温もりが心地良い。







(やっぱり校則破るの楽しいね)

(破るのは止めないが、頼むからアンブリッチに見つかって罰則なんか食らうなよ?)

(なんで?スリザリン寮生だから?)

(…お前の手に傷を付けられるなんて僕が耐えられないからだ。)

幸せそうに笑う彼女に、もう一度口付けた。






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