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僕は一年中飽きることなく、君への想いに溺れ続ける。








僕には可愛い恋人がいるんだ。とてもとても可愛いんだよ。昨日だって愛を囁き合ったんだ。僕には彼しかいないって本気で思っているんだよ。だってこんなに人を愛せるのって奇跡だと思うんだよね。まぁそんな奇跡が起こって僕は大変満足なわけだけど。でもね、その分悩みも多いんだよ。

だって僕の恋人のルルーシュは本当にびっくりするくらい綺麗なんだ。絹糸のように細くてサラサラの髪の毛なんて天使の輪っかができるくらい艶やかな黒色で。白い肌は本当に陶器のように滑らかなんだ。一回触ったら病みつきになっちゃうよ。頼りなく薄いその体つき。本当に華奢なんだ。だからこそ守ってあげたいって思うんだろうな。まぁルルーシュを守りたいって思うのはそれだけじゃないけど。そして顔も綺麗なんだ。中性的って言うかなんて言うか。紅い唇なんて色っぽすぎて困っちゃうよね。でもね、弱々しいって印象を人に与えないのは瞳に力があるからだと思うんだよね。高貴な紫の瞳。力強く輝く瞳は綺麗すぎてみんなを魅了しちゃう。

というかもうルルーシュの綺麗なところなんて全部なんだよね。全部綺麗でみんなを惹きつけちゃうのはわかるよ。だって本当に天使だもん。でもね、僕にも限界って言うものがあるんだ。

というか我慢できないんだよね。ルルーシュに誰か触れたりするの。なんか独占欲っていうのかな。執着?まぁどっちでもいいんだけどルルーシュが嬉しそうに楽しそうにしているのを見るのは僕も幸せな気分になれるからいいんだよ。あぁ可愛いなぁなんて微笑みながら見るのは至福の時っていうかなんというか。ルルーシュが妹のナナリーと一緒にいる時なんてそれはもう可愛くて可愛くて。…まぁそれはナナリーの時限定って言うかんじで。ルルーシュが他人と仲良くするのは気に入らないんだよね。

まぁそれが今目の前で起こっているから機嫌が悪いわけだけど?

「先輩〜この公式はなんですか?」

「あぁ、そこはな」

いちゃいちゃいちゃいちゃ。あぁうざい。ルルーシュの恋人は僕なんですけど。

「ねぇ、ルルーシュ」

「ごめん、スザク少し待ってくれ」

あれ?可笑しいな。涙が出てきそうだよ。その前にジノを殴らないと気がすまないな。

目の前で恋人が他の男と仲良く勉強していて落ち着いていられると思う?いや、思わないでしょ。というか思わないでほしいな。まぁ男とじゃなくてもルルーシュと仲良くされたら嫌なんだけどね。ルルーシュは男も女も関係なく魅了しちゃうから困っちゃうよ。

「あ、そっか。ありがとう。ルルーシュ先輩」

「どういたしまして」

ふわっと笑うルルーシュに胸キュン。あぁ、古い言葉使っちゃったのかな。というよりルルーシュ。僕以外の前でそんなに可愛く笑わないでよ。

「少し疲れたな。…お茶を淹れてくる」

そう言ってルルーシュが出ていく。さぁ、ジノにわからせなきゃな。

「…ねぇ、ジノ」

「何だ?」

「ルルーシュって、僕の恋人なんだけど」

「ん?知ってるよ」

「じゃあさぁ、余りひっつかないでくれる?」

「嫌だね。私ルルーシュ先輩好きだし。というか私、スザクより全然いい男だし」

「殺したろか」

「ホントのこと言っただけだけど」

「僕先輩なんだけど」

「知ってるよ」

「ならもっと敬え」

「冗談」

「勉強、僕が教えてあげようか」

「笑えない冗談はいいですよ〜。先輩」

「ならルルーシュじゃない先輩のとこに聞きに行け」

「私はルルーシュ先輩に教わりたいの。…私からしちゃスザクのほうが邪魔なんだけど」

「僕がルルーシュとお前のような汚らわしい輩を二人きりにさせると思う?いや、ありえない」

「欲の塊のスザクに言われたくないんだけど」

「僕が欲情するのはルルーシュだけだし」

「私もだけど」

「は?頭湧いてんじゃない?つーか今すんごい問題発言聞いちゃった。ルルーシュが何かされる前にやっぱり潰しておこうかな」

「嫉妬すんなよ〜スザク〜。お前のより私のやつの方がでかいからって」

「僕のマグナム馬鹿にすんな!というよりやっぱりテクニックだと思うんだよね」

「完璧。ルルーシュを満足させられる自身が私にはある」

「何げ呼び捨てにしてんじゃねーよ」

「お茶淹れてきたぞ」

「「ありが?とう!!ルルーシュ」」

「ずいぶん楽しそうに話していたな」

ルルーシュがカップを置いてくれる。目の前に出されたそれを持ち、一口飲む。あぁやっぱりルルーシュが淹れてくれたのはおいしいな。というよりジノの変貌っぷり。にこにこと笑いやがって。

「うまい!ルルーシュ先輩、ありがとう」

「はいはい。お茶菓子も食べろ。勉強してたんだから甘いものも必要だろうと思ってな」

待って。…駄目だ。どうしてもいちゃいちゃしてるように見える。まさか…ルルーシュ、ジノのこと好きになっちゃった?ありえないっ!そう思って前で紅茶を飲むジノを見る。確かに顔は整っている。…身長もルルーシュより高い。でも、でもそれだけだ。

「ルルーシュ…」

「どうした?スザク」

「いや、あのね…そろそろ終わりにしない?ルルーシュも疲れたでしょ?」

「嫌、ジノが帰るまでいるよ」

何で?ジノがいるまでいるってどういうこと。ヤバい。鼻の奥がつんとしてきた。わさびを食べたわけでもないのに。

くそっ!ジノの勝ち誇ったような顔が恨めしい。殴ったろか。でもここで殴ったらルルーシュを心配させるだけだからやめとこう。

その時ジノの携帯が鳴った。

「…帰らなくちゃいけなくなっちゃった…」

「そうなのか?」

「親の呼び出し」

「なんだって?」

「見合い、しろっていう話」

見合い?お見合い?さすが坊ちゃん。話しが違うね。まぁ僕も一応坊ちゃんだけど。

というかさっさと帰れ。ルルーシュに引きとめて欲しそうな顔すんな。

「そうか。頑張れよ」

ヤバい。ジノが可哀想に思えてきた。まぁでも僕的にはこれで一安心かな。ジノのこと好きって言うわけではないみたいだし。

ルルーシュが他人からの好意に鈍感でよかった。







ギュッとルルーシュの腰にまわした腕に力をこめる。あぁもう本当にいい匂いがするなぁ。落ち着く。

「どうしたんだ?スザク」

「ルルーシュ、今日冷たかった」

「…そうだったか?」

「そうだよ!そのくせジノと仲良くするんだもん」

「それはすまなかったな」

くすっとルルーシュが笑って僕の額に柔らかく湿った感触。キスされてるんだと感じたらどうしようもなく嬉しくなって。

「あ〜」

ルルーシュの胸に頭を押し付ける。こんな真っ赤な顔、しかも口元までにやけてるのをルルーシュに見られたらかっこ悪いじゃないか。

でもきっとルルーシュも同じくらい赤いんだろうな。

「ルルーシュ」

「なんだ?」

「愛してるよ」

「…俺もだよ」

僕の髪にルルーシュの手が置かれる。優しく撫でてくれる手が心地よかった。細く長い指で撫でてくれる。きっと優しい顔つきで。


本当に、愛しいな。僕の想いは全て君に向けられるんだ。







ぼんやりとした意識の中感じる腕の中の温もりがとても好きなんだ。ルルーシュと繋がった後、僕の腕の中で眠りにつく君がとても愛しくて。本当にお姫様だね。僕だけの、可愛いお姫様。

あどけない顔で眠っているルルーシュ。本当に、大好きなんだ。

君を思っていると大変なことも多いんだよ。みんな君に魅了されて敵は多くなる一方だし。でもね、それはとても幸せな心配なのかな。そう思える間は君と想いが繋がっていると考えていいってことだろう?

「愛してるよ。ルルーシュ」

微笑み、口付けを落として重くなった瞼を閉じる。この温もりが永遠に自分の腕の中にあればいいと思いながら。あぁ、いい夢が見れそうだ。夢の中にもきっと君がいるんだろうな。いてくれたら、それはとても幸せないい夢だよ。



愛しい。



眠りにつく時、そう想い微笑んだ。









「おはよう。スザク」









僕の想いを全てあげる。僕が君への想いに溺れたいんだ。だから一生君を想うよ。






それが僕にとっての幸せなのだから。







「愛してる」







何度も囁き合おう。ずっと一緒に微笑み合おう。


                君と優しい愛を紡ごう
                       君への想いに、そして君の愛に溺れたい



                                   だから君は僕の愛に溺れて

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