「……う、ん...むにゃむにゃ」





ぽかぽかした陽気の中、私は縁側で柱に寄り掛かり昼寝をしていた。







「名前、名前!」




(誰かが呼んでるような気がする)




起きようかと迷ったが、睡魔の方が勝っていて中々目蓋を開けられずにいる。そして意識は段々薄くなっていった...







―――





三成は一通り職務を片付け部屋を出ると、名前が縁側で柱に寄り掛かっていたのを見つけた。声をかけても返事がなく不思議に思い近付いてみると規則正しく寝息をたてていて安心反面、呆れた表情になった。風邪を引くぞと言って起こそうとしたが中々起きなかった。とりあえず名前の隣に座った。




「暖かいな」



一人ぼそっと呟き、未だ夢の中の名前を見た。




「うへへ...」
「ッ!!?」





(ね..寝言か..)


名前の髪を撫でると擽ったそうに身を捩る。ふっと笑い、数回撫でた後手を離した。











「………三成様ぁ〜...もっと..」




「!?名前、起きていたのか?」
「すーすー」




驚き尋ねても返答はなく、相変わらず寝息をたてている。再び名前の頭の上に手をのせ撫で始めた。名前は柱につけていた頭を動かし、三成の肩にのせ幸せそうに顔を綻ばせた。



「……」


三成は顔を赤く染め、目線をそらす。そしてぼそっと呟いた。









「………部屋に戻れぬ」









「ふぁああ...よく寝た..」



あれからしばらくして、名前は目を擦り欠伸をした。



(何かとっても幸せな夢を見たな...)




「起きたのか?」
「えっ!?」



隣から聞き慣れた声が聞こえ、向くと三成の顔が近くにあった。



「三成様!何で...」



顔が一瞬で赤く染まり立ち上がった。そして頭を抱え、

「え...あれ、夢?それとも....」


「落ち着け」
「はい!あ、す、すみません!三成様がいるとも知らずに寝てしまって...。あの、三成様私が寝ている間何かしました?」
「………」
「変な意味ではなくてですね...えーと、例えば」
「こんな事か?」


三成は名前の頭に手を伸せ髪を撫でた。



「ッ!!」



三成の突然の行動に慌てふためく。それを見て、ふっと笑い優しく撫で続ける。

「今日は暖かいな」
「は、はい!三成様もうその辺で...」
「嫌か?」
「そのような事は!ただ、恥ずかしゅうございます」
「気にするな、誰も見ていない」
「ですが...」




名前は俯き、黙り込んだ。顔を覗くと顔は真っ赤で、嬉しそうに口を綻ばせている。三成は頭から手を離し、口に当て笑った。



「変な顔だな」

「!
………もう、終わりですか?」



名前は三成をじっと見てぼそっと呟いた。三成は目を見開き驚いたように名前を見る。



「嫌ではなかったのか?」
「……嫌なんかではありません。三成様の手...とても、落ち着きます。ただ少し恥ずかしかっただけです」


真っ赤な顔を向け答えた。





「そうか」







そう言い、三成は再び#name_1#に向かい手を伸ばした。





【貴方の温もり】

(名前の髪は綺麗で温かくて気持ちいいな)(ずっとお日様に当たっていましたから...三成様の手とても温かくて気持ちいいです)



(この温もりをずっと感じていたい)(我が儘なのは分かってます...叶えられないのも分かってます)(でも今だけは貴方の隣で夢を見させてくださいね?)



1ページの手鞠様より

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