混沌ショッキングピンク | ナノ


男子高校生×年上のお姉さん





年上のひとに恋をした。

それは一見なんの弊害もないようだけど、いざ付き合ってみるとそれが如何に頭を抱えるようなことか分かる。
年の差は経験の差。その差が開けば開くほどに、僕が彼女を『彼女』として扱うことは難しい。

手を繋ごうとしたら手の甲を抓られ、抱きつこうとしたら頭突きをくらい、キスしようとしたら急所を蹴られる。つまりはからかわれ続けているのだ。
代価が大きすぎる気がする、と呟いたら一応慰めてはくれたけど、


「でも、セクハラですよ?」


最後の一言が余計すぎる。


「っ、いいじゃんこれくらい!僕、骸クンの『彼氏』でしょ!?」

「え?……………あ、あぁ、そうでしたっけ………あれ?」

「骸クーン!!」


恋人同士にセクハラも何もあったもんじゃないだろうに。
そしたら性行為などはどうなるんだ、強姦じゃないかレイプじゃないか。


「だって、急に触られたらどきどきしちゃいますっ!」

「…まあ可愛いから許す」


どきどきって。
可愛すぎでしょ。
ふとその言葉にひっかかりを覚え、何だろうかともう一度思い出してみる。


「…あ、ってことはさ!事前に予告しとけばいいってこと!?」

「んー…僕が許可を出した場合は」

「じゃ、じゃあね!キス、するよ!!」

「…」

「…」

「…」

「…あの、骸クン、許可…」


おずおずと聞くと、女神の微笑みを向けられた。
なんて、なんていい笑顔。


「っ骸クンのばか!純情な男子高校生弄んで何が楽しいの!!」

「そういう反応するから楽しいんじゃないですか」


さらっと返されて泣きそうになった。


「骸クンってどえすなの…?」

「貴方がどえむなんでしょう?」

「違うし!!」

「ああもう、だからそんな反応する白蘭が悪いんですってば!!!」


興奮気味の彼女にぎゅううっと抱き締められる。
立場逆だよ、と涙目で訴えると目尻をペロリと舐められ泣かないでください、と優しく頭を撫でられた。
嬉しいけどなんだろこの釈然としない理不尽。


「年上のひとなんて好きになるだけ不利だ…」

「僕はアイしてますけど?」


違うんですか?交わった視線の先で答えを無言で促される。
わかってるくせに、趣味が悪い。


「ねぇ、世間一般だとオトコのコがリードするもんだって知らないでしょ」

「おや、世間一般だと草食系男子って流行りじゃありませんでした?」

「このっ…肉食系女子!」


罵りになっていない、と鼻で笑われる。
つまりは、自分が主導権を握りたいらしい。
男としてのプライドは、と半ば放心状態で呟くと嘆息されてキスされた。


「僕的には、白蘭はオンナのコに生まれていればよかったと思うのです」

「お、お姉様…?」


そうそういいこ。
また頭を撫でられる。

ああ、それ、嫌じゃないからもういいや。







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タイトルは涙星マーメイドオライオン様。リンクはBKMに。


釈然としない終わりだな…

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