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「骸クン骸クン起きて起きて」
「ん……なに……まだ六時じゃないですか……」
「聞こえる?風の音やばい」
「…………あー、台風ですか……」
「ねぇ大丈夫かな?すごく窓揺れるんだけど」
「そんなもんですよ…………まぁ今回は確かにすごいらしいですね……」
「そうなの?」
「いつも少しでいいからニュースを見なさいと言っているでしょう……全く……」
「あっ寝ないでよー!」
「何でですか。僕は貴方のせいでまだ眠いんです」
「えー?昨夜は骸クンだって結構ノリノリで僕の上に乗ってくれたじゃん」
「…………」
「(あ、思い出して照れてる。かわいい)」
「……いいから二度寝しますよ僕は。九時くらいに起こしてください」
「やだー寝ないで!1人でこんな風の音聞いてるの怖い!」
「貴方いくつですか?……音楽でも聴いてなさい」
「やだやだ、骸クン起きててよー」
「……じゃあ貴方も一緒に寝ればいいんじゃないですか?」
「……あっ…骸クン頭いい!!」
「ハァ……」
「んしょっと」
「……あんまりひっつかないでください、暑い」
「毎晩こうなんだからいい加減慣れてるでしょ?」
「毎晩暑苦しいと思ってますよ……まぁ確かに慣れましたかね」
「フフ、そっかー」
「……なんですか」
「慣れるくらい一緒に居れるって幸せだね、骸クン」
「……朝っぱらから恥ずかしいひとですね……もう」
「おやすみー」
「はいはい、おやすみなさい」
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