クラシックパーティーの余韻 | ナノ

Side.Lenalee Lee



王宮パロ。リナリーはイギリスのプリンセス、クロスはマフィア設定。


心なしか春が感じられる暖かい風が吹き抜ける真夜中のこと。長い公務のパーティーが終わり、自分の部屋までの廊下をゆっくりと歩いていた。たっぷりレースがあしらわれたドレスは裾がヒールに絡みついて上手く歩けない。

「こんな夜中に1人で歩いてると俺みたいなやつに攫われるぞ、リナリー」

背後から聞き覚えのある声がして振り返ると、赤毛の長身の男の人。瞬間、力強く抱き締められて、お互いの体温がじんわり溶け合う。

「俺のやったドレスじゃねぇか、似合ってる」
「ありがとう…仕事終わったのね、おかえりなさい」
「ああ、その様子だとお前も今日の公務は終わったのか?」

今日行われたパーティーを一通り説明してそこであった出来事を話すと、彼は大きな溜め息をついてよくできるな、堅苦しい。と呟いてわたしを軽々と抱き上げた。歩きにくかったのに気付いてくれての行動なのか否か。少し気恥ずかしながらも、甘いコロンが香る身体に身を預けた。彼はこの宮殿に仕える組織犯罪集団のトップである。麻薬密売、賭博、恐喝、殺人、密輸等を主要資金源としている。
組織を形成し犯罪活動に従事し、もしもの時の国の裏組織。安全を多額の報酬と引き換えに手を組んでいる。出会ったばかりの頃はそんな話を聞かされた。結局、世の中なんて汚い。そして―――…。









部屋まで運ばれてふわっとベットの上に沈む。そのまま跨がってきたクロスは眼鏡や手袋を放り投げておもむろにキスを落とす。公に出てはいけない私の大切な人。

「ん……ぁ、ふ…っ」
「イイな、その顔そそられる」

自分のリボンに手をかけて、男が女にドレスを贈るのは何を意味するか知っているか?と尋ねられるも既に裾をまくしあげられて、胸が高鳴る。

「脱がすためだ」

言うなり、それが合図だったかのように脚を隅々愛撫され吐息が漏れて。久しぶりに触れてくれる彼の温度を自分の中に刻む。せわしなく動く舌と指にもう何を言っても止められる気配はなく、私は抵抗する力を緩めた。湿った蜜部を指で何回か擦られると、もうこれ以上は必要ないと思ったのかカチャカチャと金属音を鳴らす。

「ま…って、クロス…」
「なんだ、ちゃんとならせってか?」

その必要はなさそうだから、な。と彼のモノを入り口に当てられる。ゆっくりとリズムを刻む度に彼のモノが自分の中に入ってきて、すぐに快感の波が押し寄せてきて腰が細かく震えてしまう。

「も…だめ、すっぐ、イっちゃ…ぁ、やああッ」

初めからイイ所ばかりを攻められて、絶頂を迎えそうになるのに自分で気が付いた。早く、と急かす気持ちが自然と腰を動かしてしまってクロスは顔を歪める。

「…っ、腰振るなんて珍しいな…、これが昼まで上品なパーティーに出席してた姫か」

自分のした行為に恥じらいを感じるも、快感に勝るものって相応ない。もっと突いて、もっと奥、と懇願すると私の両足を自分の肩にかけさせ、激しい律動が始まる。

「…っ!!は、っぁ!んゃ…ああああッ…」 

「もっと鳴け、その気にさせたのはお前だから…誰も国のプリンセスとマフィアが恋仲だなんて考えてもいねぇだろうなぁ…」

シーツがよれる甘い音が漏れる、こんなにも心地よくて。彼の肌が熱が吐息が全てが、私の身体を欲張りにする。




クラシックパーティーの



(昼間と小夜の私の姿)
(どちらも魅せるのは貴方だけ)



あとがき。

神リナも好きなのですがこの2人カプも好きで…
方舟でクロウリーを看病しているシーンお気に入りです。

2014.3.9