僕と君にプレゼント | ナノ

Side.Lavi




俺はブックマンの次期後継者。裏歴史を記録する者。いかなる場合でも…傍観者でいなければならない。どちら側に付いても構わなかった。ノア(黒)でもエクソシスト(白)でも。名前なんてただの呼び名だ意味なんてない感情なんていらない。

入団して10日目。初めての任務が終わって、重苦しかった団服を脱いで食堂へ向かう。

「腹減った…」

ん?何か騒がしい科学班やサポーターやファインダー。沢山の人が1つの大きなテーブルに群がっている。豪華な御馳走を目の前に、すごい勢いで食い尽くしている彼と、テーブルの端に寄りかかっている如何にも不機嫌そうなオーラを漂わせる彼。見覚えのある2人が目に入った。

「アレンとユウさあー」
「ユウって呼ぶんじゃねぇよ」
「あ、ラビ、これ美味しいですよ!」

満面の笑みでローストチキンを頬張る白髪の彼が、もう1本のチキンを大皿から手に取り差し出してきた。

「ありがと。てゆか、何さ?この騒ぎ妙に盛り上がってんけど」
「今日2月20日はリナリーの誕生日なんです、だからそのお祝いを」
「リナリー…?」

名前を聞いてもピンとこずに首を傾げていると、ああ、まだラビは入団してきたばかりだから会ったことないんですね。あの子ですよ。と指さした方を見てみると、高い位置で髪を2つに結んでる女の子。目がくりくりで通った鼻と白い肌。短いスカートからは、綺麗な長い脚。モデル並みのスタイルと言っても過言ではない。

ス、ストライク…!

「ちょ、ちょっとラビ。何ですかその顔は。リナリーに色目使うとコムイさんに怒られますよ。兄妹なんですから」
「あー何かチラッと聞いたさ。でも関係ないない。目の保養。いやー可愛いさ」
「…」

2人から痛い視線を感じながらも彼女を眺めていると、神田のゴーレムが鳴った。

「おい、モヤシ」
「アレンです」
「コムイが呼んでる、行くぞ」

僕達はこれから任務なので、先に失礼しますと科学班やサポーターやファインダーに声をかけて、去って行った。じゃ、俺達も仕事に戻ろうとリーバーがみんなに言うとお開きになったみたいで。リーバーや、ジョニー、サポーター、ファインダーの人々にお礼をいい、一息ついた彼女が席を立った。

「きゃ…?」

彼女の手を引いて、もう一度席に座らせると当の本人は目を見開いて。近くで見るほど綺麗だななんて思いながら。

「初めましてさ」
「……初めまして。えと…新しく入団した子?エクソシスト?」
「うん、ラビってゆーの。宜しくさ」
「ラビ…くん?私はリナリー、リナリー・リーよ」
「今日誕生日なんさね、入団したばっかでプレゼント持ち合わせてなくて」

初めましてでそんな悪いよなんて苦笑いしながら、頬を染める。

「あっ、じゃあ1個いいかなあ?」
「うん」
「ラビ君じゃなくてラビって呼んでもいい…?」

予想もしなかった言葉に、唖然とした。

「…ははっ、それって、俺がもらってんじゃん」
「私がもらうんだよっ」
「いーや、俺さ」
「いーの!それがプレゼントじゃダメ?」

上目使いで俺を見つめる彼女に、不覚にも見とれた。

「リナリーがそれでいいんならいいさあ…」

半分、呆れたように言うと彼女は笑みを零した。

「ふふ、良かった。じゃあ部屋に戻るね。おやすみ、ラビ」
「うん、おやすみさ」

食堂から出て行ったのを確認すると、大きなため息をついてテーブルにうつ伏せになった。

"おやすみ、ラビ"

「あれは反則だろ、けっこー効いた…」


思ってたより、彼女は何枚も上手のようで。



(この感情は、)


あとがき。

残念クオリティ。着地点が
見つからずだらだらと書いて
いたらこんな終わりに|д゚)

2010.5.5