喜びの祝福



毎日笑って、時々笑って泣いて怒って、そうして何不自由なく生きてる喜びがここにあるんだなって僕は笑いながら涙を流す。
「おめでとう」
ある人は僕を祝った。
「ありがとう」
ある人は僕にお礼をいった。
僕と同じように涙を流してなのに笑ってる。おかしいね。なのにね、僕もまた涙が零れるんだ。嬉しくて自然と頬が緩むのに、瞼もゆるゆるなようだ。
涙は想い出となってぽたぽた流れて大きな水溜まりとなる。水面に浮かぶ想い出たちは全部が全部いいことばかりではなく僕の胸を締め付けるけど、また笑えてるいまはやっぱりいい想い出で、僕はまた水面に雫を落とした。
1年過ぎてまた1年がくる。僕の元へやってくる。キラキラ眩しい想い出たちは増えていく。ありがとう。ありがとう。みんな大好きなんだよ。ケンカしても怒っても泣かされても大好きで、変わらない。傷付けて傷付けられてそれでも僕は大好きで。こうして大好きだって言えることにも泣けてきてしまう。こんなに幸せなんだ。水溜まりは太陽の光でキラキラと輝いていた。
僕はまた一歩踏み出す。



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