ゆめ

 





「俺の夢はね、テニス界の頂点に立つことなんだ。

でも、その隣になまえがいないなら意味ないかな。…離れちゃだめだよ?」




そう言ったのは 俺だった。









「悪いけど、別れようか」







そう言ったのも 俺だった。


自分で言ったことなのに。




『あ、幸村。今私ブン太と付き合ってるんだ。』







その言葉に酷く傷ついている俺は何?


いつの間にか変わっていた名前呼び。

届かないところへ行ってしまったなまえ。



『幸村も幸せ見つけろよー?』

「なまえは、幸せ?」



『うん。すっごく!!』


「そっ、か…」


そう答えたなまえは本当に幸せそうだった。



俺の入るスキなんて、無かった。





ごめん、なまえ。

好きだよ。








『ねぇ!ブン太の夢って何ー?』
『ねぇ!精市の夢ってなに?』

「俺の夢かよぃ?」
「俺の夢?」


『うん!私はね、』




『ブン太がずっと笑っててくれることなんだ!!』
『精市が幸せになることなんだ!!』



「じゃーなまえはずっと俺の隣にいろよぃ!それが俺の笑顔の秘訣だからな!!」
「俺の夢はね、テニス界の頂点に立つことなんだ。でも、その隣になまえがいないなら意味ないかな。…離れちゃだめだよ?」



『うん!!』










俺の夢はなまえが幸せになることだよ。





幸せになってね、なまえ。













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