手のひらの宇宙 |
誰だってみんなひとりさ青い星 ベテルギウスの声が聞きたい 「ウサギがいないから燃えてしまいました」ママが言ってた火星の歴史 早死にするよと口ぐせのように言う 二十年後の星形の箱 最低なふたりでいよう昼の月きれいになんかならないままで ほんとうのことを言いたい 汚れた靴で蹴りつける月 あちこちで青い電球光るから朝になるまでここは宇宙だ 「聞こえますか? モールス信号送ります」何億光年隣の人へ たぶんいま土星の声を聞いている みんないるのにみんな独りね 誰だって星になりたい 誰だって墜落しても尾を引く星に 海の月海の星 ぼくの手のひらの上の宇宙 だれにあげよう |