究極癒し系のヤスくんと話をして、なんだかほんわかした気持ちになる。

ボーッとしていると、いつものように無表情な流川くんがやってきた。
(自分から来るなんてなんか珍しい感じ。いや、わかんないけど。)


「流川くんどしたの。」

「なにがすか。」

「え、なにがって。どうしたのかなぁと思って。大切な休憩でしょ?」

「イヤ…、先輩がいるなら…。」

「?」


途中で言葉が止まる流川くんに首を傾げて見ていると、彼はボールを取りだし(どっから出てきた!?)こちらを見る。


「え、まさか。」

「1on1。」

「えー。今?」


コクリと頷く流川くんに苦笑いする。

いいんだよ、別に楽しいし。

でもさ、この部活の休憩中っていうのが…。

めっちゃ注目されそうじゃん!

相手が流川くんだし、彼の追っかけもいるし、晴子ちゃんもいるし。

私は目立ちたくないの!

ひなのはうんうんと頷き、流川くんへ視線を向けた。


「いやだ!」

「む…。」


何故だとばかりにこちらを見てくる流川くんに苦笑いする。


「だってせっかくの休憩なんだから休憩しなくちゃ。プロの人たちだって休むときは休むんだよ!」


“プロ”という言葉に流川くんは妙に反応したようで、彼は残念そうな顔はしながらも、諦めたようだ。

よかった。

そう、休むときは休まなきゃね。

流川くんは結局ダムダムとドリブルをしているけどまあいいことにしよう。

その時ふと視線を感じてそちらを見ると、1年生の子がこちらを見ていることに気づく。
(さっきヤスくんに2年は教えてもらったから彼らは1年のはず。)

ずっとこちらを見ているので、首を傾げてみると、彼らはハッとして慌てている。

…なんだろう、私何かしたかなぁ。


「君たちどしたの?」

「えっ、あ、いや…。」

「ほらみろ見すぎなんだよ。」

「だって、」


なにやらやり取りしているがそれもこちらに丸聞こえだ。

不思議に思いながらも手招きしてみる。

すると彼らは一瞬互いに目を合わせ、こちらにやってきた。


「1年の子だよね。どしたの?私に何か用?」

「いや、あの…。」


言葉につまっている彼をもう一人の子が小突く。


「と、特に用が、っていうわけじゃないんですけど、」

「うん?」

「さ、最近よくバスケ部見にきてますよね。それで、桜木もなついてるし、流川も…、赤木さんと木暮さんとも仲いいし…それに今安田さんと話もしてたし。なんていうか、どんな人だろうなぁって。」


なるほど、最近よく出入りしている私が一体何者なんだろうってことだね。

っていうか花道くんなつくって…、動物扱い?

この子たちほんと可愛いなぁ。

くすくす笑うと彼はぽかんとしたような様子を見せる。


「あ、あの、すみません!じっと見たりして!」

「あはは、そんなこといいよ!気にしてないし!」


そう言えば、彼らはほっとしたような表情を見せる。


「あ、ありがとうございますっ!オレ、桑田です。」

「オレは石井です。」

「佐々岡です!」


爽やか可愛い彼が桑田くん、坊主頭(頭なでたい)で眼鏡の彼は石井くん。

そして髪がセンター分けのこれまた爽やかな子が佐々岡くん。

うんよし、覚えた。


「私は3年の春川ひなのです。」

「よろしくお願いします!」

「します!!」

「あはは、うん、こちらこそよろしく。さっきの質問だけど…、どんな人っていうか私別に普通の人なんだけどね。」

「えっ、でもあんなに赤木さんと、桜木くんと仲いいのは…。」

「ああ、それは赤木くん同じクラスだしね。花道くんと仲いいのは、たまたまバスケ部ボーッと見てて、花道くんの自主練見てたらバスケやりたくなってつい一緒にバスケやったら、スゴく誉めてくれるし。ちょっと教えてあげたら、さらに仲よくなってくれてね。」


あの時のことを思いだしながら言うと、彼らはぽかんとしている。


「なるほど、そういうことだったんですね。」

「そりゃあの桜木もなつくよな…。」

「ああ、なんか納得。」


上から桑田くん佐々岡くん、石井くん。

てゆうかやっぱり“なつく”なんだ。

ほんと花道くん笑えるなー。

くすくすと笑っていたその時。


「おいっ!!オメーら!!」

「うわっ!! 」

「うわあっ!!」

「出たっ!!」

(出たって…ほんとおもしろいこの子たち。)

「何ひなのさんに寄ってたかってやがるんだ!!」

「い、いや別にいいじゃないか。ひなの先輩は桜木くんの為に来てるんじゃないんだから。」

「…!(何この子ら可愛い!今年の一年可愛い!)」
















にぎやかわいわい













(なにおう!?調子に乗るなよ!!)

(別に調子に乗ってないよ。むしろ桜木くんだろ…。)

(なにか言ったか!?)

(いだだだだ!!ちょ、さ、桜木くん!)

(ひなのさんはオレの大切な)

(た、大切な…!?)

(ダチなんだからな!!)

ズルゥ!!

(ぬ?なんでみんな倒れてんだ?)

(((…それはあの言葉の流れ的に予想外だから。)))

(あはは、花道くんほんとおもしろいなー。照れる〜。)

ズルゥ!!

(ん?どしたのみんな。)

(((先輩の感覚もなんか変。)))

(はっはっは!!天才桜木ですから!!モチロンおもしろさも兼ね備えてますよ!!)

(おおー!!さすが花道くんっ!)

(………不思議な。)






130516執筆




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