私の学校生活は大地さんに始まり大地さんに終わる。
会いたいなーと思っていても中々会えないのは半ば諦めはつく。
(だって学年違うし、校内だって広いし。)
でも会えないで終わるつもりは全くない。
会えないなら会いに行くのが私である。
会いに行けるのは休み時間が長い昼休み。
そう、今日も大地さん目掛けて教室を出るのだ。
(もちろんお弁当持参です!)
「──大地さんコンニチワーす!」
「…また来たのか。」
「ははは、浅香は本当に元気だな。」
ハァとため息をつきそうな大地さん。
いつものにこにこ笑顔で迎えてくれるスガさん。
「えへ。スガさんコンニチワっ。」
「ハァ…。」
本当にため息をついた大地さんにショックを受けている。
がくりとしつつもいつも(勝手に)座っている場所にお弁当を置く。
その時椅子を渡される。
「…あれ、」
「何を言ってもどうせ今日も食べていくんだろ。」
「………!!はい!!」
大地さんがくれた椅子にスッと座る。
なんだかんだいっても優しい大地さんに心があったかくなる。
「大地さんっていつも優しいですよね!大好きです!」
「………。」
黙りこむ大地さんに首を傾げているとそれを見ていたスガさんが笑う。
「はははっ。 」
「……?」
笑うスガさんに首を傾げていると、スガさんは悪い悪い、と悪いとは思っていないだろう笑顔で言った。
「浅香のそうゆうとこが面白いんだよな!」
「??」
「……。」
黙る大地さんと笑うスガさん。
なんなんだろう、この感じ。
不思議ですがでもここに一緒にいていいならいいや!
「へへへ、ごはん食べましょ!」
「………。」
「食べるか、大地。」
ずっと黙っていた大地さんは頭をぽんと叩いてくる。
それにぽかんとしていると大地さんは言った。
「よし食べるか。」
「はいっ!」
ほわほわとあったかい気持ちになって、ニコニコしながらお弁当を食べていると、ふと大地さんが口をひらいた。
「そういえばお前って…、」
「はい?」
「……ちゃんと友達はいるんだろうな。」
「……え?」
しーん。
静まり返るこの空間。
え、なんでそんなこと聞かれたの。
っていうか私友達いなさそうな人なのか。
真剣すぎる表情の大地さんがなんだか憎い。
そしてスガさん笑いすぎです。
「…なんでそんなことを。」
そう問えば尚も真剣すぎる表情の大地さんは言う。
「だってお前…、放課後はだいたい体育館に来てるし。昼休みは絶対ここに来るし。大丈夫か。」
確かにそう言われたらそうだけど。
いつも体育館とか一緒に行くか聞いてみても興味ないとか言われて断られちゃうし。
昼休みはむしろ行く前提で思われてるから生暖かい視線で行ってらっしゃいとか言われるし。
(縁下には毎回冷たい目でみられるし。)
てゆうか大丈夫かって大地さん。
「わ、私にだって友達くらいいますから!!」
「そうなのか?」
「そ、そうなのかって!!私のことなんだと思ってるんですか!!」
「え?」
不思議そうな表情の大地さん。
てゆうか友達いるのか心配されるなんてなんかほんとお父、
「大地さー、浅香の父親みたいだよな。」
「父…!?」
さらりと言ったスガさんは未だに笑っている。
そしてショックを受けている様子の大地さん。
「父親って、」
「スガさん!!私もそう思いましたけどっ!」
「お、思ったのか!?」
「どーせなら彼氏かって言ってくださいよっ!!」
「「………。」」
そう言えばまたしーんと静まり返る。
「どうせならの意味が分からない。」
「ははっ、はははっ!!ほ、ほんとーに浅香って面白いよなあ!?」
げんなりとした様子の大地さん。
大笑いのスガさん。
え、もう、ちょっと何なんですかこの感じ!
よく分かりません!
(あーもうスガさん笑いすぎですよ!!)
(ご、ごめんごめん!!お前らそろうと毎回笑うわおれ!!)
(……スガ。)
(は、はは!!ごめんて大地!)
(あれ、凄い楽しそうだな。)
(あ。旭さん。)
(浅香がいると賑やかだからなー、すぐわかる。)
(エッ。本当にですか〜?照れるー!)
(何に照れるんだ何に。)
150305執筆