clap | ナノ
※仁王が最低なので注意。(ヒロイン無し)
見たくないものがあるなら簡単だ。
目を閉じていればいい。
聞きたくないものがあるなら簡単だ。
耳を塞いでいればいい。
「(・・・・‘簡単’、だ。)」
青い空を疎め。
心地よい風を恨め。
『仁王、貴様自分の状態が分からんのか。』
「(・・・・分かっとるよ。)」
分かってるんだ、そんなこと。
責めろ、戒めろ。
懲らしめろ。
罰を、与えて。
「(・・・誰に。)」
誰に?
青い空に左手をかざした。
誰もいない屋上。仰向けの俺。
『心音ディザイア1』
本音は、建前の後ろにかくれんぼ。
真実は、虚構の盾に守られる。
嘘吐きは、正直者に勝利して、
偽りが笑う横で、本当が泣く。
素直だと罵られるよりは、詐欺だと称えられよう。
「いや!・・・なんで?仁王くん・・・私たちっ・・・・」
「お前さん、何を勘違いしとるん?」
「いやよ!別れたくないっ・・・・」
「くくっ・・・安心しんしゃい。別れるも何も、始めから付き合っとらんよ。」
「なっ・・・・」
面倒くさい。
本気になった女。
うるさい。
騒ぐな。
もう、いらない。
「じゃあな。」
呆然と立ち竦む女子生徒を一人残して、俺は中庭を後にする。
もちろん振り向くことはしない。
未練・・・?あるものか。
笑わせないでほしい。
毎日は、まるでゲーム。
ふと見上げれば、空が青い。
雲も流れず純粋に快晴。
さて、どうしようか。
飽きてしまった。
新しい相手を見つけよう。
暇つぶしにはちょうどいい。
人を騙すくらいがちょうどいい。
「あのっ・・・仁王くん・・・・ちょっといいかな?」
「・・・・うん、よかよ。・・・何?」
暇つぶしにはちょうどいい。
「好きなんだけど、付き合ってくれない?」
嘘を吐くくらいがちょうどいい。
「・・・・じゃあ、俺と遊ぶ?」
本音は、建前の後ろにかくれんぼ。
真実は、虚構の盾に守られる。
嘘吐きは、正直者に勝利して、
偽りが笑う横で、本当が泣く。
素直だと罵られるよりは、詐欺だと称えられよう。
さあ、上手な、嘘を。
end.
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