●●●●●●●● BL・シリアス・捏造要注意 りぼーん! ●●●●●● 不似合いの世界 ああ、不釣合いの者が居る――一目彼を見た瞬間、不思議なことにも僕は「興味がない」と切り捨てる前に一瞬だけ、一瞬だけ、そう感じたのだ。彼と言う存在に興味が沸いたかどうか、と言うとそれは――Noである。漠然と、彼はこの場には不釣合いだ、と感じただけで他に彼に感じるものは何も無かったわけだし、ましてや僕は他人に興味を持つような性格はしていなかったのだ。 ところが、それがどうだ。僕が彼に関わろうとする前に、 「お前はいつもフラフラしとるな。」 彼のほうから関わろうとしてきたのだ。その一番初めの一声がこれである。フラフラ、その言葉を頭の中で反復させる。 「フラフラって、何。」 「此処からふと、居なくなったかと思えば、また現れる。そして、また居なくなる。その繰り返しではないか。せっかくお前も仲間なのだから、もっと此処に居ても良いのではないか。究極にゆっくりする必要がお前にはある。」 どうやら、彼は僕がジョットが率いるボンゴレに所属しているのだとでも考えているようだ。残念ながら、僕は何かに所属する気にはなれないし、現に今、僕はこのボンゴレ自警団には所属していない。 フン、と一度鼻を鳴らし彼から目を背けてやる。ムッ、と彼が顔をしかめた気がするけれども、そんなこと等僕の知ったところではない。 「僕は、ボンゴレ自警団の一員ではないからね。」 それだけ言い残してその場を後にしようとしたのだけれども、僕の腕を掴む彼の腕がそれを許してくれなかった。彼の手のひらの生暖かい感触に視線を落とし、じとり、と彼ににらみを利かせてみせる。分かっていたことではあるけれども、これだけでは彼は退こうとはしないらしい。どうも、彼は粘り強い性格なのか、無鉄砲なのか、はたまた、僕がどのような人間なのかを知らないのか。――どれも当てはまるような気がしてならない、何となく。 「逆に言わせてもらうけれど、君はこんな場に居るべき人間ではないと思うよ。」 「何故だ?」 「君は、牧師ではないのかい。」 「……そうだが、それが?」 「自警団なんてところに留まっていないで、教会で迷える子羊の一匹や二匹救ってきたらどうなの。」 「ははは!それもそうかもしれんな。だが、俺は、友のためにも究極に力を尽くしたい。友を見捨てて神に仕えては神に起こられてしまうからな。」 「……そう。」 彼の信仰する神とは何なのか。彼の修道服のひときわ目立つ朱色のラインを視線でなぞるが、そんなことをしても彼の崇拝する神なんてものが拝めるはずでもなく。会話を切り上げようとしたところで、彼の手も解かれる。 「でも、それでも、僕は矢張り君は此処に居るべきではないと思うよ。」 「……何故だ?」 数刻の間を置いて、彼は不穏そうな顔つきでそう反問してきた。 「此処に居続けるようでは、君はいつか、君の信仰する神とやらを裏切ってしまうことになるだろうから。」 「? よく意味が分からないが、そんなことは究極にあり得ない。案ずるな。」 明瞭に言い切られては此方ももう何も言い返せず、そう、と溜息にも近いような息を落としてしまうこととなった。 *アラウディ×ナックル!ナックルもアラウディもキャラはよく分からない。アニメだと昔馴染みのような印象を受けたけどどうなのかなー。ナックルは神かジョットのどちらかを選べと言う二択に直面する機会があるのではないかなー。アラウディはそれを言いたかったのです。……というだけの小説。 :) もどる 感想いただけると嬉しいです★ :) もどる ●●●●●●●●●●●● |