02 夕食を食べテレビを見、お風呂に入って自室までくると9時回っていた。 部屋に入るとチカチカ光るケータイをまず手にとった。 from:??? 件名:re さっきは悪かった 内容これだけですか。悪気もないわけだし、さっきも謝ってもらったのにこちらが悪い気がしてきた。 dear:??? 件名:re 大丈夫です こちらこそ悪い気がしてきました。回してませんし、気にしないでください 相手もどうやら中二らしい。そして、男だと知ったのは、何十通かやりとりをしてからだった。 学校やペットなどたわいのない話で盛り上がった。 気づけば夜遅く12時を回っていた。 また明日、そんな文字に心が弾んだ。 「寝不足?」 いつもの平日である。 隣の席のフィディオが尋ねてきた。図星だ。 「うん、ちょっと……ね」 まさかメル友、しかも男と夜遅くまでメールしていたよとか言えるわけない。 そもそも私は男というものの経験がない。はっきり言ってフィディオとよく話すくらいで一切の恋愛感情を持ったことがない。 ちなみに、彼にどうして私と一緒にいるんだろうね?と聞くと、君は素直だから、と返ってきた。つまり非恋愛仲間である。 「朝練のときに寝不足のやつがいたよ。君とまったく同じ反応をされた」 「は、はは」 その人も夜遅くまでメールをしていたんだろうか。 「そうだなまえ、これ隣のクラスに持って行ってくれないかな」 「また?」 「ごめん」 「あ、いや、いいんだけどね。全然構わないし、隣のクラスなら……」 「今なんて?」 「耳いいんだね」 はい、と手紙を渡された。綺麗な笑顔と共に。 この頃よくフィディオは私に渡しものを頼むことが多い。主に、っていうか全部隣のクラスで、そのほとんどがマルコへのものだった。 「これ、フィディオから」 「ありがとう。なんかいつも悪いな」 その通りですね。 「おまえも寝不足?」 欠伸をしようとしたところ、ごしごしと目を擦った。 「昨夜遅くてさー……」 俺も、と微笑むマルコにどっきゅんだった。 またおつかいしたいなあ。 なんだろう、やっぱり私……恋してる? |