Mis9 scene6 | ナノ





――scene 6



 ノックの音に、男は顔を上げる。返事もせずにただドアを見ていると、鍵も閉めていなかったからゆっくりと開いた。
 そこから覗いた人物に、男――神威は口だけで笑みを浮かべた。


「来ると思っていた」
「頼みがあるんだ」
「あの娘のことか」


 ミクオは蒼褪めた顔で神威を見据えている。単身乗り込んで来た度胸は称賛に値する。


「あんたは何を知っているんだ」
「さて。お前が知ること以上は知らないさ」
「それが困る」
「俺も仕事だ」
「ミクには言うな」
「どうするかな」
「頼む」


 そこへ、足音が近づいてくる気配がした。
 両者とも息を殺す。ミクオが奥へ引っ込み物陰に身を潜め、神威はドアの前に陣取った。そして、今度はノックもなしに開かれたドアを見て神威が薄く笑う。


「突然どうした」


 ミクが、思い詰めたような顔で立っていた







【MISSION 9】暴行犯を捕まえろ
――Complete.















20160522



 途中で一年以上の間が空いてしまったので文体やら雰囲気が大分違うと思いますがすみません。
 とりあえず今回はレンリンお休みだったのでクオミクを詰め込みました。シリアス楽しい……。