Mis6 scene0 | ナノ






――scene 0



「心臓発作、ですってよ」
「あの身体付きだ、どうせ不健康が祟ったのだろうよ」
「ま、あんたから見りゃ誰でも不健康な生活送ってるわね」
「この国の人間は肉ばかり食べるから、体臭が酷くて敵わん」
「……それ、あたしも臭うってこと?」
「ここの人間は気を使ってるらしいな」


 私が事務室へ行くと、メイコさんと神威さんが何やら不穏な空気で微笑みあっていた。傍から見れば美男美女、絵になる光景だけれど、散乱する書類だとか、冷たい空気だとかが居心地悪くて堪らない。来たばかりだけどもう逃げたい。
 けど、当然入って来た私は目立つわけで、メイコさんにあっさりと呼びかけられた。


「ミク」
「はい、って、」


 ばさりと投げられたそれを、反射的に受け取る。ふわふわしてきらきらしたそれを私は広げて、目を丸くした。


「メイコさん、これ」
「仕事よ」


 随分、機嫌が悪い。みたい。









【MISSION 6】
――start.









20140719