光の中へ | ナノ
謎の少女

01. シンがまた女性を連れてきた


シンがまた女性を連れてきた。しかもまだ17歳くらいの子だ。
話を聞けば森で倒れていたそうだが、少女の容態は芳しくないままだった。

コンコン ガチャッ

「ジャーファルさん、そろそろ会議ですけど…」

顔を覗かせたヤムライハが少女を見て顔をしかめる。

「分かりました、代わりの女中を呼んだら行きます」

「あ、それなら…」

ヤムライハは自分の後ろにいた女中を示す。既に連れてきてくれたようだ。
その人に少女の看病をお願いし、シンの元へと向かう。

「あの子どうなんですか?あんまり芳しくないようですけど…」

「えぇ、まだ目覚めませんし顔色も悪いままです。ところで、何か分かりましたか?」

あの後、シンとマスルールは少女について情報収集に行っており、その報告がされるはずだった。

「それが…私もよく分からないんですけど、相当重要な人物だと王様が」

「あの子が?」

思いもしない言葉に目を丸くする。

普通の少女だと思っていたが、何か持っているのだろうか?

ジャーファルは疑問を胸に、シンと他の八人将が集まる白羊塔の前に立った。



「それでは、これよりシンとマスルールがお連れした少女についての緊急会議を行います。まずは状況説明からお願いします」

ジャーファルの言葉にシンドバッドは頷く。

「うむ。俺たちはパトロールのために森へ向かっていたんだ。そうしたら突然海の方から少女が落ちてくるのを見た」

「それで様子を見に行ったっす」

後を継いでマスルールが説明をする。

「でまぁ、倒れてたから連れてきた訳だ。見たところマゴイ切れのようだったし。で、マスルール」

「っす。その時、近くに落ちていたのがこれっす」

マスルールが真ん中に置いたのは杖だった。

「わ〜かっわいい〜!でもこの先端の飾り、なんだろ?花?」

「恐らく北の国の花かと。書物で見た気がします」

ピスティの疑問にジャーファルが答える。

その杖は花びらが5つのゴールドピンクの花飾りが先端についていた。その下からは短めのピンクのリボンが一周半巻き付いている。

「注目すべきはここっす」

微妙に視点が違うため、マスルールは花の中に埋め込まれた石を示した。

そこには八芒星が浮かんでいた。

「これっ…!!じゃあその子、金属器使いなんすか!?」

「恐らくな」

シャルルカンが立ち上がらんばかりに大声をあげる。他の者も驚愕の表情だ。

「あの子が………」

一番近くにいたはずのジャーファルもさすがに驚くしかなかった。



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