「こないなぁ…」



ベッドに寝ころびながら、何度目かの言葉を呟く。
さっきからずっと待っているのはメールの返信。
メールの相手は入学して一番最初に仲良くなった男の子。


知り合ってもう1年経つ。何かと気の合うその子とはよくメールのやりとりをしていて。それは今日も例外じゃない。



でも、私が送ったメールへの返信はまだこない。



「難しいこと聞いてないのになー」



ゴロンと寝返りを打ちながら受信ボックスを見る。
相変わらず反応は、ない。

まぁ、相手だって用事とかあるわけだし、気長に待つべき…―



〜♪〜♪♪



「来た!」



タイミングよくメールの受信を知らせる着信音が鳴り、ベッドから飛び起きて携帯電話を開いた。




「………なんだ」




…メールは彼からじゃなくただの広告メール。
期待した分、がっかり度も大きい。



「もう紛らわしい」



脱力したように再びベッドに寝転ぶ。
その時、ふとひらめいた。



「……そうだ!!」




私は携帯電話を開き、操作する。




分かるように個別着信にしよう。
そうすれば紛らわしいこともなくなる!



そう思って私は無意識に設定する。
自分の一番好きな歌の着メロを。




「これでよしっと」



満足げに眺めながら、私は早くこのメロディが聴けるようにと願った。




まだ気づいてない。
私にとって彼が特別な存在だってことを。






特別を知らせる着信音
(あ、来た!!)




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