私は病気にかかってたらしい。



「おーい、大丈夫かー?」

「…?…」



目が覚めると見慣れない天井。
そして見慣れた部活の先輩の顔。


「先、輩…?」

「覚えてるか?お前、部活中にぶっ倒れたんだよ」

「え…?」



そこで初めてここは保健室だって気付いた。

ぼーっとするなぁとは思っていたけど、まさか倒れるなんて。



「はい、体温計。計ってみろよ、絶対熱あるから」


めっちゃ顔赤いし、なんて言いながら先輩は私に体温計を渡してくる。

先生いないのかな、なんて思いながらのろのろと手を伸ばして受け取った。


そういえば、


「先輩が、ここまで運んでくれたんですか?」

「ん?あー、まぁ…一番力あるだろって満場一致で」

「すみ、ません…」


ああ、迷惑をかけてしまった。
情けない思いでいっぱいになる。



「大丈夫だって。大した苦労じゃなかったし。でも、熱ある時はせめて部活は休まなきゃダメだからな?」

「はい…」

「今日は帰ってゆっくり休むよーに…だけど、まぁ…」



先輩はそこで一度区切る。


「熱あるのも気づかずに部活頑張るなんてお前らしいや」



そう楽しそうに笑いながら言った。



…あれ?



「熱上がったかもしれません…」



顔が熱いし、心臓がすごく脈打ってきていた。




動悸の加速は初期症状
(気のせいかな)




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