「あれ?」

「…え…?」



ある日曜日。


街中を歩いていて出会ったのは3年前に卒業した高校の同級生。



「久しぶりじゃん。元気?」

「うん。そっちも元気そうだね」

「元気元気」



そう言って照れるように彼は笑った。

しばらく隣で歩きながら話していた。



「大学だっけ?」

「そ。もう色々大変だよ。そっちは?」

「俺はもう就職したよ」

「え、すごい」



前を向いて話す彼がなんだかすごく大人に見えたから大人ぶって私も前を向いた。



「でも、ホントに懐かしくなるな。うわー学生に戻りてー」

「何言ってるの、社会人」

「それ言うなっての」



クスクスと二人で笑いあった。



「あー皆にも会いたくなってきた。同窓会とかねぇかな」

「私も。そのうちあるかもよ?」

「そしたらさ、多分、思い出話に盛り上がるよな」

「いろいろあったもんね」

「ああ。…っと、俺こっちだ。じゃあ、今度はゆっくり話そうな」

「うん。またね」



彼の後ろ姿をしばらく見つめていた。




声を聞いて泣きそうなったのは出会えた喜びなのか言えなかった後悔なのか分からない。

でも、変わらない笑顔が嬉しかったのは紛れもない事実。





思い出すほど想い出す
(さよなら、大好きだった人)




back


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -