(学生/テルとユースケ)
「…あ、」
授業と授業の合間の短い休憩時間のこと。
教室の窓から何気なく運動場を眺めていたテルは声を上げる。
「…なんかあった?」
「あれ、ケンとダイだよね」
テルの指差した先を追うようにユースケも運動場を見る。
テルの言ったとおり、そこにはジャージ姿でなにやら談笑している身長差のある男子2人―ケンとダイの姿が見えた。
「だな……あっちのクラス、次体育か」
「そうみたい」
ふと、何かを感じたかのようにケンがこちらを向いた。
そして、テルとユースケの存在に気付き、両手を大きく振ってくる。
ケンの行動により、ダイも気付いたようだ。こちらを見て笑顔になった。
「あ、気付いた。すごいな…」
「え…ケンは何を察したんだ、今」
そんなことを言いながらテルは小さく手を振り返してやり、ユースケは呆れながら見ていた。
特に意味もなくそのまま眺めていたが、突然なんの脈絡もなくケンが右の靴を脱ぎ出す。
「なんかやりだしたよ?」
そして、半分靴を脱いだ状態の右足を思いっきり蹴り上げた。
勢いによりふわりと高く舞い上がる右靴。
「天気予報するやつ、かな?」
「つーか、あれだとさ、」
半ば呆れたようなテルに対し、ユースケが何かを言う前に重力に従うがままに右靴はケンの頭上へとつま先から落下した。
「「うわ、馬鹿だ」」
コントのような一連の流れにテルとユースケは思わずハモる。
痛みで頭を抑えるケンと驚きつつもケンを心配するダイを見ながらユースケはため息を吐いた。
「……あいつの行動、ホント予測つかないよな」
「…ね」
ユースケの言葉にテルは苦笑しながら同意した。
007:若いな…若い若い。
(Chrysoprase/緑玉髄)
(まぁ、同い年だけどね)
(…そうなんだよなぁ…)
―――――
ちなみに靴の結果は晴れでした
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