「合同練習?」
「そうなの〜。」


男子テニス部に合同練習の知らせがあった翌日の放課後、女子テニス部の更衣室で小花は、夏目に今日あった事を報告していた。


「確かに普段は自分たちの練習に打ち込んでいるし、男子テニス部の試合の様子を見る事はあまりないな。」
「でしょ〜。それでね、がっくんが夏目と一緒に来たらどうかって誘ってくれたの。」


小花は本当に嬉しいのだろう、常に眠たげな垂れ目がちの瞳はぱっちりと開けられ、いきいきと話している。彼女の話を聞いて、ふむ、と夏目は少し考え込む。その様子を見て待ちきれない小花は、「どう?」と何度か尋ねてみる。

夏目は中等部から氷帝学園に転入してきたのだが、それ以前から男子テニス部というのは全国区だった。夏目達の学年が中等部に進学してからはより一層テニス強豪校としてその名を全国に知らしめることとなったのだ。起爆剤となったのは当時から生徒会長及び男子テニス部の部長を務める跡部景吾の存在だ。

中等部の頃は女子テニス部総出で試合の応援に行くことも少なくなく、当時見た彼らの技術力の高さは相当なものだったし、結果として夏目のテニスへの情熱に火をつけた。しかし高等部に上がってからは練習日はほとんど重なっているし、夏目が部長となってからは特に、女子テニス部の練習にも力を入れ始めたため、個人的にファンとして応援しに行っている部員は別として、男子テニス部の試合を目にすることはなくなっていたのである。


「うん、……いい機会か。」
「じゃあ……!」
「うん、日曜は一緒に見に行こう。」
「やったあ!」


小花の顔が綻ぶ。その表情に夏目も思わず頬を緩めた。



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