アイスランド・ポピー * 陽気な転入生 [陽気で優しい] 私は、何をするにも自信が持てなかった。 自分が醜く、存在するだけで人に迷惑をかけると思っていた。 親には話しかけるだけで鬱陶しがられた。 友達は勿論いなかった。 私は一人で、それが当たり前だった。 そう、あの子が来るまで。 その陽気な女の子が転入してきたのは、中学三年生の五月。 どうせ私には関係ない、そう思っていたのに。 彼女はあろうことか、私に話し掛けたのだ。 陽気な転入生と私は、なぜだか親しくなった。仲良くなるにつれ、私の性格も明るくなった。 彼女との出会いは私の人生を明るくしてくれた。 今でも梅雨になると思い出す。 陽気で優しいその笑顔を。 △ |