約束したのにな


悲しい。
悲しいと思って着る制服は、やけに重く感じた。

もう、着る事は無いんだと。
そう思ったら、やけに悲しくなった。
悲しくて。
寂しくて。
虚しくて。
切ない。


自分の記憶が染み付いたブレザーは重く、そして小さく感じた。

おもむろに、ポケットの中に手を突っ込んだ。
中には、やっぱり私の記憶たち。

淡々と書き綴ったメモに、友達からの手紙、描き出された落書き…。


懐かしいな‥。
なんて、思う度。

紙の上に、雫が落ちた。
紙は雫を吸い取って、黒い染みに変わっていく。


「‥あーあ…約束したのにな‥泣かないって」

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