「…化粧って怖ェ」

「は?なにいきなり」

「ありえねェ。お前そんなに可愛かったか?」

「…褒めてんの貶してんの」

「どっちも」

「うざ」

「いや、褒めてる。化粧の腕を」

「うっざ」

「いやまじで。可愛い。惚れ直した」

「……バカなのか晋助」

「はぁ?せっかく素直に言ってやってんのにバカとはなんだよブサイク」

「いや、可愛いって思ってるんでしょ?可愛い彼女がさらに可愛いくなってバカになったんでしょ?」

「なんだそれ喧嘩売ってんのか」

「いや喜んでる」

「お前こそバカなのかわかりづれーな」

「だってこれ着付けも化粧も時間かけて晋助に七五三みたいとか言われたらぶん殴るとか思ってたんだから。褒められたときの対応なんて用意してない」

「ぷっ。七五三。たしかに」

「は。しね」

「いってェ!!なにしやがんだこのやろ」

「ふん。割れてしまえ」

「お前が言ったんだろうが七五三て。自分で思ってたくせに殴ってんじゃねェよ」

「あー腹立つ。腹立つからお口直しにもっかいだけ褒めて」

「はあ?」

「はい」

「可愛い可愛い。惚れ直した」

「はいありがとう」


(130115/成人式 - 幼馴染高杉の場合)

頭のネジがゆるい高杉が好物。


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