「
さあ、うたおう」
本編
酷
んでさ、あの流れで、なんでこうなるわけ?
始めて見るコイツの露骨な欲情に反応して、超ソノ気だったんだけど。
むしろ、なんだろう、こうさ、ガバーっと来て、あ〜れ〜って感じになるんじゃねえの? って思って身構えてたオレのドキドキを返せ。
あ、イヤ、別に、ドキドキもしてねえけど!
「なあ」
「はい、いえ……あはは……。もうちょっと、待ってもらえませんか?」
ソファに腰掛けたユキは、オレを見ようとしない。
放置だ、放置。
だんだん腹が立ってきた。
「オイ」
「え? わ……っと……あの、アキラさん?」
「何なんだよ。シねえの? シねえなら、さ、オレ…………帰るけど……」
肩を押して、ユキを背もたれに押し付ける。
その膝の上に跨って、ジロリとヘタレ野郎を睨み付けた。
帰る……ぞ?
ホントに……ホントに!
「もうっ、アキラさん!」
「ンだよ。ちょ、いきなり、抱きつくな、よ……」
「可愛い。可愛い。もう、食べちゃいたい……!」
な!
にを!
血迷ったことを!!
アレ?
んでもよ。
食えばいいじゃねえかって話だろ?
「……ベッド行こうぜ?」
するりとユキの下半身に手をやると、そこは熱く起立していて、思わずギクリと肩が跳ねた。
ちょっと、これは……完立ちレベルだろ?
なに?
盛りすぎじゃね?
「ちょっと、待ってください」
それに気づいたユキが照れたようにへらりと笑う。
は?
何で?
だって、お前、この状態じゃ、辛くねえの?
オレだって、こんなの見せられたら、堪んねえんだけど……。
ゴクリ、と喉が鳴る。
「今、アキラさんを抱いたら、ちょっと抑えが利かないから」
「あア? 何を抑えんだよ」
「ぼくも男なので……ちょっと色々、欲望が暴走しそうで」
「あア?」
意味分からねえ。
セックスすんのに、何をぐちゃぐちゃ考えてんの? コイツ。
「あなたを、身勝手に抱いてしまいそうだから、ちょっと待ってください」
「身勝手って」
「酷くしちゃいそうなんです。だから……」
……。
ナニソレ。
超興奮するじゃん?
ユキが。
このユキが。
オレを酷く抱くなんて……。
はっ!
「シろよ」
「アキラさん?」
「酷く。なあ、シてよ? オレ、酷くされたい」
最高じゃねえ?
ぞくりと背筋を痺れさせた想像にニタリと笑って、ユキのペニスを握りこんだ。