弱酸性のくせに

オマケA
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たかしははりねずみに似てる。
ツンツンしてるけど、実は恐がりで、内側はとても柔らかくて温かい。

誰にでもしっぽ振りやがって、と呟く声は小さかったけれどばっちり聞こえた。
だって、たかしの頭は俺の肩にもたれかかっているから。
見た目よりは柔らかい髪の毛が頬に触れてくすぐったい。

グラスビール2杯で出来上がってしまったお手軽さ。
飲み会だと聞く度に、ほんと心配で仕方ない。

「愛想も仕事のうち、かな」

「バカ犬。営業は信用ならねぇよな」

「たかしは愛想なさすぎだよ」

「は? 振り撒いていいのかよ」

普段より舌っ足らずな毒舌が可愛い。
というか、毒舌でも何でもないよね。
ただただ可愛い。

「あはは、ヤだね、それ。ヤだ」

だろ? と満足げに笑う恋人の顔を見つめながら、タクシーが一刻も早く自宅に着くように願う。




だってこの可愛いイキモノを今すぐ食べてしまいたくなったから。




「っア……む、ふ、ん、ん……」

玄関の扉にたかしの体を押しつけて、普段より少し熱い口内を存分に犯した。
俺の胸を叩いて押し返す手の力は弱くて、興奮材料にしかならない。

「ひ、……あ、あ、っちゅ、ん……ひ……あン……」

乱暴に着衣を乱して素肌に触れれば、それだけでキスの合間に悲鳴が混ざる。
感じるままに体を震わせて俺にすがりつく痩身を堪能しながら、下着の上から微かに反応を見せる性器の形を指で辿る。

「ん……ん……」

切なげな眉間。
無意識に揺れる腰。
熱い吐息。

堪らない。
俺の欲望がむくむくと膨張して舌なめずりをしている。

ああ、でも。
ココでシたらきっと明日手酷く叱られるだろう。

「たかし、部屋、ベッドいこ」

こくっと肯いた恋人の手を引くと、逆にくいっと引っ張られた。

「……こ」

「ん?」

「さきに、しっこ」











もじもじっと膝を合わせるたかしの赤い顔に、頭が真っ白になった。

「え。あ……」

ああ。
そうか。
お酒で近くなる。

それは道理だ。

「じゃあ……










……一緒にお風呂ば「便所だろ、バカ犬」うっグ……」



たかし、さん。



今、急所を蹴るのは。



反則です……。






結局その夜は清く正しく美しく。
俺のすすり泣きが、たかしの健やかな寝息と素敵なハーモニーを奏でたとさ。

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