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痛い


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変態勇者×村人1
出会い
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痛い。
足が痛い。

ええと……膝から下が……食われてる?
なんで……??

このグロテスクな形状は、記憶違いじゃなければ危険度3の肉食系植物。
ここは集落からほんの少し入った森で、危険度1程度のモンスターしかいない筈の地域だ。


確かに、冒険に出たいと思っていた。
ばったばったとモンスターをなぎ倒し、最終的には勇者の称号を得て魔王討伐、が俺の夢だ。

でも、俺はまだLV1。
いきなり冒険なんて到底無理な話。
まずはその辺を散歩がてら、小物をいたぶって経験値をあげようと思っていたのに。


家のそばにこんな生物がいたなんて。

村長……自警団……おまえら……何やってんだよ?


「ってて、くそ……抜けねえ……」

幾重にも重なる肉厚な花弁に両足の膝下まで、すっかりはまり込んでいる。

皮膚がちりちりとするのに気づいて、背中がすうっと寒くなる。
このまま消化されちゃうんだろうか。

携帯していた短刀を花弁に付き立てようとするが、粘液で覆われた表面は滑るし、意外と硬いらしく傷つけることすらかなわない。


なんてこった。
俺の輝かしい人生はここで終わりなのか。
こんな雑魚っぽい終わり方、死んでも死にきれねえぜ。


「ねえ? ……楽しい?」

「んな訳あるか」

「じゃあ、何でそんな事してるの?」

突然後ろから男の声がした。
一生懸命振り返ると、見知らぬ旅装束の青年が不思議そうに俺を見ている。
腰には装飾が施された大振りの剣。

ラッキー!

「助けて!!」

「ん? これ切ればいいの?」

「そうそう!」

ずしゃああっと水っぽい音がして、花弁が真っ二つに割れた。

「うひゃあ……気持ちワル……」

切り口から流れ出る体液で腰から下がびしょびしょだ。
振り向いて改めて、ナイスタイミングな青年に向き直った。

「ありがとう! ありがとう! おかげで助かりました!」

「そう……うん……よかった……」

微妙な顔をしながらこちらをちらちらと見る青年に首をかしげる。
あ、赤くなった。
あ、鼻血。
あれ?
はあはあ言いながらふらふら近づいてくる……?

青年の視線を辿って自分の下半身を見れば、着物が溶けて丸裸。
やっと生えそろった大人の毛の間にちょろんと肌色のちんこがふらふら揺れている。



「ぎゃ────!!」



その後、何故だか俺は青年率いる魔王討伐の一行に加えらる。
こうして俺の夢は叶えられた。


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うん。
そして同時に何かを失ったんだね。

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