予定管理はしっかりと
 

今日は学校が休みの日

名無しはゆっくり寝ている気でいてたが、微かな振動と聞き慣れた声にそっと瞼を開ける
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「…い、おい名無し。起きろ。」

「ん…?レノ、おはよ……。」

「よっ。さっさと顔洗って準備しないと遅刻するぞ、と。」

「今日は…、あれ?」

「授業入れ替えの日。ほら、洗面所行ってこい。」

「…ん。」


名無しはまだ完全に目が覚めきっていないようで、小さく欠伸をして目を擦りながら洗面に向かった


「……寝起きの名無し、中々にエロかったな。」


名無しを待っている間レノはベッドに腰掛けポツリと呟いた

部屋を見回し彼女らしい部屋にふっと笑みをこぼす

そうしていると足音が近づいてきて、バタンと部屋のドアが開くとヘアブラシを片手に名無しが戻ってきた


「なっ…んでレノがここにいるの!?」

「ん?窓から入ってきたからだぞ、と。」

「ここ二階だよ!?それに質問はそういう意味じゃなくて…!」

「入れ替えの日だってこと、忘れて寝てるだろうと思ってな。」

「それなら電話とかメールとか…。えっと、だから……。」


目は覚めたが寝起きで上手く頭が回らず、名無しは悩む

そんな名無しに笑いを堪えながらレノは時計を見て口を開いた


「時間、あと少ししかないぞ、と。」

「う、わ…本当だ。……よし、完了!さて、レノ。」


鞄の中に必要な物を入れた名無しは未だベッドに腰掛けているレノに向き直る


「なんだ?」

「うん、今から着替えるからさ。」

「…お構いなく。」

「いやいやいや。」


なんとかレノに部屋の外へと出て行ってもらい、素早く名無しは着替えを済ませた

朝食は学校で取ろうと台所に置いてある菓子パンを適当に取って鞄の中に入れる

そして二人で走りだした


「…間に合うかな?」

「…スピード上げるか。」


まだ夏ではないが暑い日に走って汗が滲み息は少し荒くなっている

なんとか授業開始時間には間に合った二人は教室の前に佇む

今日はこの教室は開いているはずなのだが、閉まっていた

携帯を出して確認するレノに名無しはジトリとした視線を向ける


「………。」

「あ、れー?おかしいぞ、と。」

「………。」

「……あー…。」

「………。」

「…悪かった。」

「…いいよ。」


授業があるはずの教室が閉まっている理由…それはレノの勘違いだった

授業入れ替えの日は本当は明日で、今日は普通に授業を行う日

この日二人は授業を入れていないので学校に来る必要は無かった


「折角だしデートにでも行くか?」

「今日は暑いから嫌。」

「なっ…。」


名無しの肩を抱き寄せながら言うレノ

しかしすぐさま離れられた上に誘いを断られた為ショックを受ける


「でも…お家デートなら良いよ?」

「それ…誘ってんのか?今日の名無しは積極的だな、と。」

「ちがっ…!外暑いし、汗かくのも日焼けも嫌なだけ!」

「ざーんねん。…あ、キスくらいは良いだろ?」

「そんな事、聞かなくても…。」

「して良いって?くくっ…お家デート、楽しみだな。」

「もっ…言うんじゃなかった……。」


そう言い顔を背けて赤くなる名無しに堪らなくなったレノは頬に軽くキスを落とした

恥ずかしさのあまりに怒り出した名無しから逃げるレノ

その追い掛けっこは二人が名無しの家に着くまで続き、家に着いた頃には先程よりも陽射しが強くなっていて二人とも汗の量が増えて息が上がっていた事は言うまでもない…




 

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