彼がバスケ部なんて、高校入って初めて知った。
「馬鹿なんですか?」
「ひでぇ」
僕赤司くんとかとよく部活の話してたじゃないですか、と頬を膨らます黒子くん。いや、いつも君らが話してるとき大体黄瀬に邪魔されるからな。黄瀬マジうるさい。
「寧ろ今回どうやって知ったんですか?」
「火神から教えてもらった」
「火神クゥン…」
あの火神クゥンもバスケ部だったんだねー、と言うとすげぇ馬鹿にした目で見られた白目。
「今度黄瀬くんと練習試合があるんですけど見に来ませんか?」
「え、行きたいけど黄瀬に会いたくねぇ…」
「僕が守りますよ」
「黒子クゥン…」
「今キュンときました?」
「確信犯かちくせうイケメンか」
暫くしたら黒子おおおおおお!!!!!!と大声がした。火神クゥンうるさいよ。黄瀬より…それはないな。
「今日昼休み集まるって言ったじゃねぇか黒子!!!」
「え、そんなこと聞いてないです」
「えっ」
「えっ」
「コントか」
じゃあ黒子くんいってらっさーいと言うと家臣に裏切られた主の目で見られた。敵は本能寺にあり…!
「あなたは明智光秀じゃないでしょう」
「な ぜ バ レ た し」
「エスパーですから」
「みんなエスパーだよ!」
「いや声に出てたからな?!」
いやいいから早く行けよ
_____
やってきました練習試合。結局来ちゃった。海常の体育館2階に居ると、海常サイドからきゃあきゃあと黄色い悲鳴があがった。うるせぇ。香水臭いし黄瀬の顔しか見てない奴らだ。バスケの試合位静かに見ろよ。
あ、黒子くん出た。バスケのルールは大体分かる。見ててとても楽しい試合だ。途中黄瀬が黒子くんにエルボーをかまして一人ブーイングした。あいつマジ殴る。
でも綺麗だった。一言で言えば、そうだった。寧ろ…そうだな。高貴が正しいだろう。尊く、心が汚い人には触れないような、そんなプレイ。
試合終了して、黒子くんと話そうと思って誠凛ベンチに近づいた。黒子くん影薄くて見つかんねぇ。火神クゥンに所在地を聞こうとすると
「誰を探してるんですか」
「ほぉあ?!」
きゃあっなんて女子力高い悲鳴は出せない私が通りますよ。予想以上に黒子くんは近くにいました吐血。
「どうでした?今日の試合」
「凄かったマジで!!!!黒子くんマジ凄い胸熱だわ!!!」
「…そうですか」
いつもの無表情に見えるが少し、誇らしげだ。
「高貴、かな。似合う言葉は。」
「…ありがとう、ございます」
彼の髪は水色だ。だけど、その高貴な姿は紺__ネイビーブルーに見えた。
紺navy blue刧剄kM
5/5