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焦らして焦らして焦らして焦らした上で焦らした結果



俺の彼女は年上だ。





俺が高校三年生。そして、彼女__みょうじなまえさんは社会人1年目、浪人もしてないから23歳だ。





5歳差というのもあり、なまえさんには逆らえない。





「ねー政行ー膝枕してよー」





「は、はぁ!?膝枕…っすか!?」





「きゃー照れてるー!ウブだねー!」




「〜〜〜なまえさん!!」





けたけたと笑いながら俺の膝に頭を乗せてくるなまえさん。





見下ろした時独自の顔の見方が出来た。





髪の毛がこしょばゆい。





綺麗だと思いながら、なまえさんの夜空の様に黒い髪の毛を鋤く。うっは、サラサラ。





なまえさんは擽ったいのか、身を捩らせた。





その行為さえ、愛おしい。





そう思うのは余程彼女に惚れているからだろう、その事を身をもって実感した。





こうまじまじと彼女を見る機会は無かったから、ついついじっと見てしまう。





自分が今触っているサラサラの黒い髪。人形の様に長い睫毛。透き通った白い肌。そして、太過ぎず細過ぎずスラッと伸びた綺麗な脚。





彼女の容姿も、性格も、仕草も。全てをひっくるめて大好きなんだ。





我ながらベタ惚れだなぁ、とそんな自分を嘲笑う。





気持ち良さそうに俺の膝に乗るなまえさんは無防備にも程がある。




そのまま唇を付けようとすると押さえられた。





「だーめっ」





「なんれれすか」





唇を押さえられてるため、上手く喋れない。





「お預けー?」





屈託のない笑顔でそんな顔をされると困る。俺がその顔に弱い事を知っていてやっているんだから。この確信犯め。





でもキスしたいんだから仕方ない。もう少し顔を近づけてみる。





「だーめっ」





「いいっすか?」





「まだー」





「いい?」





「まだー」





この繰り返し。それでもめげずに押してみる。


_________



何分たったろうか。



未だに俺はなまえさんにキスさせてもらえない。



「まだー」



ニヒヒと笑う彼女は、俺をからかって楽しんでるようだ。



…こんな所、絶対鹿島にも野崎にも見せたくない。



鹿島だったら、なまえさんと一緒になって俺をからかってくるだろう。



野崎だったら、「ネタ提供ご馳走さまです!!」と言ってネームを描くのだろう。



そんなの絶対嫌だ。



「んー…政行もう限界?」



「限界です。」



「即答かぁー、面白いよね政行は。…いいよ、もう」



そう言って唇から手を退けられた瞬間、彼女を組み敷き、桃色に染められたその唇に貪るように自分の唇を重ねた。



「んっ…ふっ」



組み敷かれたことに驚いたのか、空いていた口に舌を入れる。



歯列をなぞる様に舐め上げれば、いつも話すより高めの声を出す。


唇を離せば、繋がる銀色の糸。



それを舐めとると、なまえさんは林檎飴の様に顔を真っ赤にしていた。


150717




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