君へ好きだと言う毎日
ロックオン・ストラトスというコードネームを名乗ることになった男は、初めて会った時、不躾な程に戦術予報士から紹介された同僚の顔をじろじろと眺めてしまった。
磁器のように滑らかで白い、そして堅く冷たい印象を与える頬。
高くもなく低くもないちょうどいい鼻。
強烈な光を湛えた、“まるで宝石みたいだ”というお約束の口説き文句が、只の事実の確認にしかならないような瞳。
絶妙な曲線を描く、柳眉。
完結した美を持った存在というものに彼は出会った。
あまりの美貌に言葉を発することさえ忘れ、見とれていたのを正気づかせたのは、微かに歪められた唇だった。
完璧な中に落とされたアシメトリーに、彼は忙しく瞬きをし、目の前の存在を現実のものではないと何処かで否定していた脳をリセットする。
リセット終了と同時に回転させ、与えられコードネームを名乗り、これから共に戦う仲間として右手を差し出した。
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