貴方の存在、私の生きる意味
『おーいお前ら、生きてるかぁ?もう半日過ぎたぞー。あと残り8人でーす。それじゃあ死亡者の発表、今回は多いなぁ…山吹中5番・亜久津仁、氷帝学園8番・宍戸亮、同じく9番・鳳長太郎、立海大附属中8番・切原赤也、以上4名』
放送を聞いた跡部と忍足は目を見開いて立ち上がった。
「切原赤也だと!!」
「切原が死んだんか!?」
分校近くの森(ユキ、赤也のいる場所から東に進んだ所)にいた二人は、ついさっき診療所跡で同じ氷帝学園の宍戸亮の遺体を発見したばかりであった。
鳳の姿は見えなかったが、ちぎれた氷帝ジャージを見て、宍戸と一緒にいたのだと理解した。
そして、氷帝で生き残っているのは、もう自分達だけなのだと知った。
「切原はユキちゃんと一緒におったはずやろ?…早く探さんとマズイで跡部」
「…っ」
行動を共にしている…つまりは妹を守っているはずの赤也が死んだのだ。
他の立海メンバーと一緒なのかどうかはわからないが、どちらにせよユキの身が危ないことに変わりはない。
赤也を殺害したのが誰なのかは跡部にもわからないが、赤也とユキがどれほど仲が良いかは跡部が一番よくわかっている。
自分の一番の親友なのだといつも嬉しそうに話す妹。
その親友を失った今、妹はどうしているだろう。
親友を追って自分も…などと考えてはいないだろうか。
「クソッ…急ぐぞ忍足!」
跡部はそう言って走り出した。
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