絶望の中の出逢い

『えーもう6日目、最終日になりましたー。今夜0時が期限でーす。まず死亡者の発表からー。立海大附属中R1・幸村精市、同じくR2・真田弦一郎、青春学園9番・越前リョーマ、以上3名。なお禁止エリアは今から廃止されまーす。ただし、分校は引き続き禁止エリアになるので注意しろー』


そう言ってプツンと放送は切れた。


それを聞いて、目を見開く者が4人。


つい5分前に展望台で合流した立海大附属中のメンバー、柳、仁王、ブン太、ジャッカルは幸村達の名前が上げられたことに驚愕した。


「バカな…!」


「どういうことだよ!!なんで幸村君たちが…っ!!」


ジャッカルとブン太は思わずスピーカーに向かって叫んだ。


「まさか…灯台が襲撃されたのか…?」


「そうとしか考えられんのぅ」


「怪我してる幸村はともかく、あの真田がそう易々と襲撃を許す訳ねぇだろ!」


「…何か…予想外の事態が起こったのかもしれん。いずれにしろ、もう灯台には戻れんぜよ」


「っ…。」


皆、深い悲しみと混乱、そして怒りで押し潰されそうだった。


「……」


仁王は無表情のまま首から提げたネックレスを見、それから3人に視線を移した。


「とりあえず、場所移さんか?…ユキと赤也はまだ生きちょる」


しばらく黙った後、柳が頷いた。


「そうだな…。まだ全てが終わった訳ではない。悲しむのは、全てが終わってからにしよう」


二人の言葉に、ブン太とジャッカルも強く手を握り、頷く。


「ああ」


「早くユキと赤也を探そうぜ」


「…行くぞ」


4人は展望台を後にした。

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