初めてお前をこの左目に映した時、純粋に"欲しい"と思った・・・だがな、手に入れた後も欲は尽きる事がねぇんだ





好きすぎるんですが
これって病気ですか?





「んぅ」



舌で名前の唇のラインをなぞって、反射的に緩んだ唇の隙間に舌を捩込めば


苦し気に漏れる名前の吐息に、此処が学校だって事を忘れて本能のまま煽られる



「はっ、政、宗・・・」



じっくり堪能していると、息苦しさから名前のオレの腕に触れたままだった手に力が込められて


そろそろ限界か、とゆっくり離してやると熱をもった潤んだ瞳が恨めしそうにオレを見つめる


伊達くん、って長い間呼んでいたコイツが下の名前でオレを呼ぶだけで柄にもなく心臓が波打った



(ったく・・・ガキか、オレは)



「もう、誰かに見られたらどうするの・・・」

「ハッ、別に見せ付けてやれば良いじゃねェか」

「やだよ!恥ずかしいし・・・だって真田くんとかに見られたら」

「あァ!?真田ってあの真田幸村かよ?」

「え?あ、うん」

「・・・何でそこであいつの名前が出てくんだよ」



(Shit!折角の甘い空気がぶち壊しじゃねぇか)


つーか名前はあいつと同じクラスだから知ってても不思議じゃねぇけど無性にイラつく


思わず滲み出たオレの不機嫌なオーラと低い声に、名前の肩が驚きに揺れる



「だって・・・この前、一緒にいるとこ見られてたみたいで"破廉恥な!"って言われたから・・・」

「HA!他の奴なんざ関係ねェよ」



もう一度閉じ込めるように、腕を名前の背中にまわした


応えるように小さく頷いた後、名前の手がおそるおそるオレの背中にまわされる



オレだけを映すその瞳も
オレを呼ぶその声も
オレに応えるその腕も


名前の全てがオレのもんだ
勿論、そのShyなところも含めて



他の奴なんざ関係ない
他の奴をその声で呼ぶんじゃねぇ
他の奴に触れるな触れさせんな



日に日に増していく感情に、名前をつけるとするのなら



「I love you・・・」



(政宗?そろそろ帰らないと、日が暮れちゃうよ)

(Ahー、もう少し。まぁ、どの道お前がこの後うち来んのは決定事項だけどな)


Title:確かに恋だった


END